周回遅れの諸々

90年代にオタクとしての青春を過ごした人のブログです

思春期の頃、自分が読んでるor読むべきはこういうものだと規定されるのが嫌だった

あの頃、別に早く大人になりたかったわけじゃない。ただ、子供扱いされるのは間違いなく嫌だった。 児童文学は親が子供に買い与えるもの、ライトノベルは子供が自発的に買うものだ、とよくゆわれる。だからだろうか、児童文学として売られるものには「この本…

アダルトアニメ業界の良心 太多秀太・山本佐和子コンビ

エロアニメ業界は狭い。や、詳しい業界規模とかそんなのは知る由もないけれど、製作会社の新規参入とか滅多にないし、監督や脚本家のメンツもクレジットを信じる限りではここ数年あんまし変わり映えしない。当然その中で、この人の作品は合うあの人は合わな…

田中ロミオによるエロゲ初心者におすすめの7作

田中ロミオ=山田一は、エロゲ業界のカリスマ的なシナリオライターである*1。代表作に「加奈~いもうと~」「家族計画」「CROSS†CHANNEL」などがあり、近年はライトノベルレーベルで一般向け小説も発表している。「人類は衰退しました」「AURA 〜魔竜院光牙…

高尾山で初日の出を拝んできた。でもここな様はいなかった

昨年観たTVA「ヤマノススメ」が面白かったのと、そういえば山の上からご来光を拝んだことってなかったな、という思いから、元旦のまだ夜が明けない頃から高尾山に登ってきた。2016年はエヴァの影響で第九を聞きに行ってイベント納め、2017年はヤマノススメで…

「アマガミ」の思い出、橘純一という主人公 続編?「セイレン」放送開始によせて

今冬から、TVA「セイレン」が放映開始される。原案・シリーズ構成・キャラクター原案は「アマガミ」のキャラクターデザインを担当した高山箕犀*1、舞台は同じ輝日東高校。「アマガミ」から9年後の物語で、「アマガミ」ヒロイン七咲逢の弟・七咲郁夫、同じく…

2016年のスケベアニメを振り返る

年間の新作発売本数が恐らく100本前後*1という狭いエロアニメ業界だけど、今年もいろんな作品が発売されました。 メリー・ジェーン「今からアタシ……」がベストオブヘンタイ2016 ピンクパイナップル「ヌーディストビーチに修学旅行で!」の謎のテンション ピ…

エヴァオタが《第九》を初めて生のオーケストラで聴いた感想

今年2016年は、自分にしてはアクティブにイベントに参加したり映画に観に行ったりした。その締めとして、12月20日(火)、六本木のサントリーホールで行われた《第九》のコンサートに行ってきた。演奏は読売日本交響楽団通称「読響」。指揮者はドイツのマル…

【勇者のクズ】草河遊也 現役のフルアナログイラストレーター【オーフェン】

私の人生に一番影響を与えたラノベは、「魔術士オーフェン」でまず間違いない。作者の秋田禎信に関しても、旧シリーズが終了してからもずっと追い続けてる。 じゃあイラストの草河遊也はというと、正直ファンタジア文庫版の頃はそこまで熱狂的なファンではな…

森見登美彦『夜行』  京都を抜けるとそこは京都であった

デビューから10年以上が経過した森見登美彦の最新作は『夜行』。『きつねのはなし』にも通じる、じっとりと湿った怪談風味のファンタジーだ。 僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。 十年前、鞍馬の…

魔女っ子、魔法少女、変身ヒロインの使い魔キャラについて

魔(法少)女といえば使い魔、という連想だったのか。1982年の『魔法のプリンセスミンキーモモ』以来*1、かわいいマスコットキャラみたいなのがくっついてくるのがその手の作品の定番だけど、この魔法少女百花繚乱の時代、彼らもバリエーションに富んでるよ…

「放課後のプレアデス」 桑島法子が高森奈津美に幸せにされちゃう運命線

「放課後のプレアデス」というTVアニメは、女子中学生のごく日常的な悩みの解決とキャッキャウフフとガール・ミーツ・ボーイとハードSFを合体させたジュヴナイル作品だ。同じガイナックス制作作品では、「トップをねらえ2!」が一番近いだろうか。あるいは…

秋田禎信『血界戦線 オンリー・ア・ペイパームーン』 映像化も望まれる良ノベライズ

www.adventar.org ※この文章は、秋田禎信関連アドベントカレンダーの一日目の記事です。 内藤泰弘原作「血界戦線」のTVアニメ2期が、2017年に放送されることが決定した。ストーリーなど詳細はまだ明らかにされていないが、ノベライズでありながら一部の人か…

「ライトノベル傑作短編アンソロジー」をちょっと本気出して編んでみた

一般にライトノベルは短編が少ないとされている。書き下ろし長編のシリーズ物がメインというのがその主な理由だろう。ドラゴンマガジンや電撃文庫magazineに掲載されるのも、シリーズ物の外伝短編が多い。でも、たまにミステリのアンソロジーとか読むと結構…

上遠野浩平『パンゲアの零兆遊戯』 強靭な意志と固い信念が試されるジェンガ

上遠野浩平の新作は、ノン・シリーズ物のゲーム小説。講談社ミステリーランドの一作として刊行された『酸素は鏡に映らない』以来のハードカバー単行本となる*1。同じく祥伝社の、これはノベルスとして出ている「ソウルドロップ」シリーズと僅かながら繋がり…

七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」のヒットに見るラノベと一般文芸の境界

実写映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」が12月17日から公開される。原作は2014年に刊行された七月隆文の恋愛小説。10代、20代の女性にものすごく売れて、発行部数は100万部を突破したらしい。あの七月隆文が! 一般文芸で! 若い女性に受けて! 100…

「だがしかし」 新ヒロイン・尾張ハジメはスキだらけ!

週刊少年サンデーに連載されている「だがしかし」は、田舎の駄菓子店の息子「鹿田ココノツ」通称ココナツを主人公に、毎回駄菓子の薀蓄を披露していくショート漫画だ。一見地味な題材のこの作品の華は、都会からやってきた、年齢不詳のグルグル目巨乳美女・…

「この世界の片隅に」 笑い声と艶ごとと声優と百合と8月6日とサザエさん

2008年に刊行されたこうの史代の原作漫画を読んだのは、去年のこと。面白かったし、感銘を受けはしたけど、そこまで読み込んだわけではない。既に細部の内容は結構忘れている。映画化の話が具体的になった時も「まあいつか観に行くだろう」くらいの――そうい…

「小中高校時代、学校や公共の図書館にラノベはあったか」アンケート結果

ライトノベルと図書館の関連性が話題になる度、最近の図書館にはラノベが置いてるのか! という声が上がる。一方で、いや昔からラノベ置いてあったしなんなら自分で購入希望出して入れてもらったし、という反論も出てくる。実際そこのところどうなの、と思っ…

あざの耕平「Dクラッカーズ」 おクスリキメてラリった挙句が熱血スタンドバトル

90年代後半から00年代前半のオタク文化というと、セカイ系だったり泣きゲーだったり少年犯罪だったり何かと根暗なイメージがある。実際に個々の作品を当たってみると案外そうでもなかったりするんだけど、逆にそんな時代だからこそ、健全な価値観の作品が「…

「相思相愛ロリータ」の同人エロゲサークル【夜のひつじ】の全作をプレイ後 「ゆ、許された」

昔々、ネオ・ジオンの偉い人は言いました。「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」と。別にこのキャラクターこの台詞が端緒となったわけではないけれど、年端もいかない女の子に母性を求める、という性癖はオタクの間でそこそこ市…

「サクラダリセット」「階段島」河野裕講演会 in 中央大学白門祭 レポ

11月4日に中央大学の学園祭「白門祭」にて開催された、河野裕先生の講演会に行ってきた。中央大学にお邪魔するのは、3年前に米澤穂信先生の講演会に参加して以来だ。って、そういえばあれも文学会さん主催のイベントか。いつもお世話になってます。 正式名称…

キッズアニメのTwitter広報と、「リルリルフェアリル」公式

キッズアニメが好きな「大きなお友達」は、女性向けジャンルで同人活動してる人の一部と同じくらい、「公式」と自分たちの距離に敏感だ。基本的には作品は自分たちに向けて作られたものではないし、作り手もあまり大っぴらにこちらの需要にそれに乗っかって…

二宮ひかるの思い出と再会 「ナイーヴ」「ハネムーンサラダ」、それから……

sube4.hatenadiary.jp 妹の結婚式に参加してから約半年。先日は同期の式にも参加させてもらった。その度、チャペルで賛美歌を聞きながら「ハネムーン・サラダ」という漫画のことを思い出してたこともあって、最近は作者・二宮ひかるの作品をちょくちょく読み…

オタクは特定のことにしか興味がなく世事に疎いというイメージは事実なのか

近年、アニメや漫画、ゲームと異業種とのコラボはすっかり定着した。コンビニに行けば男性向け女性向け問わず必ず何らかの作品のキャラクターが並んでるし、オタク向けの聖地巡礼を町おこしの考慮に入れている自治体も多い。売ってるものがウン十万、ウン百…

アラサーの私が20年間どんなラノベを読んできたか

「ライトノベル個人史」みたいなものを書きたくなったりすることもあるのだけど(そして同時に、そういうものを聞きたいし読みたいぞ、と頻繁に思ったりもしているのだけど、あまり「順を追うように」書いてくれてる文章って、巡り逢えてなくて、常に飢えて…

「かぐや様は告らせたい」 ラブコメにレクリエーション要素を持ち込む

ヤンジャンで連載中のラブコメ、赤坂アカ「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」が面白い。「マンガ以上ラノベ未満」という当初のアオリには何言ってんだこいつ感しかなかったけど、段々この漫画なりの楽しみ方が分かってきた気がする。 「恋愛は…

「あにトレ!EX」「あにトレ!XX」 アニメ体力減退からのスローアニオタライフ

2016年秋アニメ新番のド本命といえば……? それはもちろん、「あにトレ!EX」の待望の二期「あにトレ! XX(ペケペケ)」ですよね。 フィジカルエクササイズアニメ「あにトレ!」シリーズの魅力 大胸筋とか腹直筋とか広背筋とかを鍛え、また脂肪を燃焼させる…

「バーナード嬢曰く。」と「俺ガイル」 自意識あるあるの幻

アニメ化に乗って、以前から気になっていた「バーナード嬢曰く。」を読んでいた。kindle unlimitedのラインナップに入ってたし。そしたらなんだか「俺ガイル」を連想してしまっていた。 読書家の自意識 読むとなんだか読書欲が高まる“名著礼賛”ギャグ! 本を…

ジャンル:サンリオアニメのはじまり「おねがいマイメロディ」

サンリオ原作の人気キャラクター「マイメロディ」を主人公にしたアニメ「おねがいマイメロディ」も、放映開始から11年が経過した。今、ちょうど全208話を収録したBD-BOXなどが発売されている。ので語る。 アイキャッチでいつもマイメロを見守っていたサンリ…

榊一郎「ドラゴンズ・ウィル」「棄てプリ」そして「ストジャ」 生粋の「軽小説屋」に覚えた同時代意識

ひとつのジャンルに多少なりとも長く留まっていると、「あ、この作家は自分と同じものを食べて育ってきたんだな」「この人が使ってる言葉は自分と共通のものだな」というのが透けて見えることがある。それが単に流行に乗っかったり懐古の念をくすぐろうとし…