周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

入院記

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  • 9月1日、救急車で搬送された先の総合病院に10日間ほど入院した。この歳で人生初の長期入院ということもあり、記録を残しておく。
  • 最初は一人部屋だったけど四日目から大部屋へパーティションで仕切ってるので同室の人の顔は見えないけど看護師さんとの会話は完全に筒抜け個人情報漏れ漏れ。お隣がご飯に塩っ気が欲しくてやたら「きゅうりのきゅうちゃん」を買ってきてほしがったり、お向かいがすごいイケボだったりとかそんなことが印象に残っている。この「顔が見えないのに個人情報がどんどん入ってくる」のなんかお話のネタにならんかな。
  • トイレが近いので、夜中に用を足しに行くたびに音を立ててしまうのは申し訳なかった。
  • 同室の人が普通にご飯食べてるのに、自分は退院ギリギリまで点滴なのは精神的にキツかった。〇〇さん昼食です即席さんは点滴と抗生剤の追加です。でもいざ食事が摂れるようになると最初の一回目から結構ちゃんとしたメニューが出てきた。病院食は美味しくないって聞くけど別にそんなことはなかったな。退屈な入院中の数少ない楽しみの一つだった。お粥主食でオムレツとか食べるのは食い合わせよろしくなかったけど。
  • 入院期間中はほぼずーっと点滴を受けていた。初点滴。今までずーっと針を体内に入れっぱって痛くないのかなと思ってたんだけど、水圧を変える時以外は別に痛くは無かった。ただ毎日のように逆血するのが怖かった。看護師さんは全く動じてなかったから日常茶飯事なのか。
  • 自分は血管がやたら細いらしく、点滴針を初めて入れる時や採血時などは看護師さんが結構失敗してこれは辛かったし申し訳なかった。だもんで痛みに耐えるために好きなアイドルグループの曲を脳内再生してやり過ごそうとしてた。
  • 看護師さんはみんないい方なんだけど患者の情報を全く共有してないのか……? と思うことが度々あってそこは気になった。便の状態とか入院時の事務的な説明とか、こちら側でどこまで情報を把握してなきゃ行けないのか謎だった。ご時世的に本来その病棟所属じゃない人も配置されてたようなので、その辺りの混乱はあったかもしれない。お疲れさまです。
  • ほぼ着の身着ままで入院。自分で買い物行くのも不可。親族に頼んで家から荷物を持ってきてもらうこともできなかったけど、寝間着などはレンタルできるし、下のコンビニにあるものなら看護師さんにお買い物リスト頼んで買ってきてもらえる。でも食べ物とかならともかくUSBコンセントとか電気類は万一使えなかったらと思うとなかなかのギャンブル。Amazonとかで注文した商品を病室まで持ってきてくれたりもするらしい。
  • 下着は自分で洗濯して病室に干しとくんだけどハンガーもないし(このやり方がデフォなら頼めば用意してくれたのかな?)、曇りか雨が続いてなかなか乾いてくれなかった。
  • 少し余裕ができて歩ける範囲で院内を見回ってみると、通路の手すりにクロミ様のぬいぐるみが挟んであった。看護師さんに聞いてみるもいつからここにいるのか、誰が寄贈したのか(あるいは置いて帰ったか)分からないらしい。なんにしても色々と不安な入院生活の中で、このクロミ様には随分と癒された。顔も知らない寄贈主にはお礼を言いたい。
  • 退屈しのぎはkindleの漫画。「天体戦士サンレッド」「orange」を読み切った。でもiPhoneSE2のちっちゃい画面でずーっと読んでるのはさすがに目に悪かったかも。視力が一段と低下したのを感じる。タブレットを新たに買うことも考えたけど何日いるか分からなかったので断念。病院の本棚にあったのは「鬼滅の刃」「ガラスの仮面」「ブラックジャック」「あひるの空」で「鬼滅」はこれ幸いと全巻読破した。流行が去ってしばらくしてからじゃないと手を出せない人間なので、こういう機会じゃなきゃ読まなかっただろうな……。「ガラスの仮面」は久しぶりに読んだらページを繰る手が止まらなかった。次読む時は完結時だと思ってたんだけど。
  • 今考えると漫画よりもdアニメストアでアニメでも観てたほうがよかったかも。
  • アイドルの配信は、イヤホンがなかったので電話する時みたいにスマホのスピーカー部分を耳に当ててなるべく周囲に音漏れしないように聴いてました。
  • 病院のWi-Fi虹裏に繋がらなかったのでうっかり健康になってしまった。
  • 退院は唐突だった。「明日には点滴外すんで明後日退院ね」と言われた。てっきり点滴取ってから数日は経過を見るものかと……。こんなご時世なので病床を確保したかったのかも。
  • 退院当日、お粥から普通の白米に切り替わった朝食を食べてから会計をして外に出た。近くのコンビニで買った十日ぶりの缶コーヒーの味が沁みる。Tシャツ一枚ではやや肌寒いのでGUでパーカーを購入し、昼はジャンクなものが恋しくてまぜそばを食べて帰った。これにて約十日間の入院生活は終わりを告げた。
  • 家に帰り着いてみるとクーラーつけっぱなしだった。入院という非日常的な時間を過ごしたからと言って退院後に全く新たな生活が待ってるわけじゃない。入院前と地続きの環境から健康にならなきゃいけない、と言われてる気がした。