周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

Vtuberがリアルアーティストと対バンした「BREAK THE BORDER 2018」

新年二日目、私は赤坂BLITZにいた。たくさんのアイドルグループによる対バンイベント「アイドル甲子園」に参加していたのだ。次々にアイドルが出てきては歌い、踊り、オタクは沸く現場に圧倒されっぱなし。正月早々実家からUターンしてアイドルを観に来たのは、友人に誘われたから、というのが直接的な理由。でもそれともう一つ、年末のライブ納めに思うところがあった。

年の暮れ、新宿ReNYで

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昨年12月29日の「BREAK THE BORDER 2018」には、バーチャルyoutuberの響木アオちゃん目当てで参加した。こちらは2019年にブレイクが予想されるアーティストを集めた対バンライブ。アオちゃん以外の出演者は


の五名+オープニングアクトに登場する三名。おおむねアニソンタイアップ系の人が呼ばれた感じなのかな。


会場の新宿ReNYに着いたのは結構ギリギリ。入場のとき、「お目当ては誰ですか?」と尋ねられ、推しの浮沈が自分の双肩にかかってることを実感する*1。ホールに入るとほどなくオープニングアクトが開始。「17live」という配信アプリのコンテストで選ばれた三人が登壇してアニソンをカバーした後、ライブが始まった。


時系列を無視してアオちゃん以外で印象に残った演者を挙げると

  • 安月名莉子さんはギター弾き語りがかっこよかった。特に三曲目が琴線に触れたのだけど検索してもタイトルが出てこず。ジャクソン5の「I want you back」をカバーしたのは亜咲花さんへの伏線か?(彼女の代表曲「SHINY DAYS」は「I want you back」のオマージュ)と思ったら特にそういうことでもなかったようだ。
  • その亜咲花さんは大トリだったのだけど19歳にして既に大物の風格。生「SHINY DAYS」は、「ゆるキャン△」opとして聴くのとは全然違うよさがああった。初見では可愛い曲だなって思ったんだけど、ライブで聴くとなんというか、力強い。「ゆるキャン△」はアオちゃんと並んで2018年の私の中心にあった作品なので、ライブ納めにこれを聴くことができてよかった。
  • halcaさんはオタクが元気だった。


といった感じ。

他推しの人と響き合う響木アオ

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で、肝心のアオちゃん。この対バンは出演順は事前に発表されておらず次に誰が出てくるか分からないのも楽しみの一つだったと思うのだけど、安月さんの出番が終わってからステージ中央にいつものディスプレイが設置され始めた時点でバレバレではあった。


アオちゃんが歌ったのは次の五曲。


画面にアオちゃんが映った時にはもう「ChuChuChuダーリン」の出だしが始まってるという滑り出しでちょっと不安になったものの、後半に行くにつれて盛り上がっていった。「DA!DA!DA!大根」ではリアル大根を振り回すオタクたちに他の演者のオタクも結構受けていた様子。最後の「スタートの合図」は生で聞くとこの一年のアオちゃんの成長が感じられる力強さで、より一層好きになった。


で。アオちゃんのライブと言えばコール&レスポンスなのだが……現場に行く前に一番心配してたのは、実はここだった。アオちゃんもそのオタクたちも既にライブを何回か重ねて、鍛えられている。しかし、対バンという場ではどうなのだろうか。渋谷デビューライブの時に来てくれた「たこやきレインボー」のオタクの人達とは、アオちゃんがたこにじさんに楽曲提供する「AOturing」という繋がりがあった。しかし、今日はアオちゃんの存在自体知らなかったという人の方が多いはずだ。ひょっとしたらVtuberすら初体験かもしれない。そんな人達が乗ってくれるのか……?


はたしてそれは杞憂であった。彼らは推し以外にもコールを惜しまなかった。MCの時にはアオちゃんと

  • オタク「お水おいしいー?」
  • オタク「お水になりたーい」
  • アオちゃん「いやあ、お水になりたいは草だわ」


とお決まりのやり取りをしてくれた。これにはアオちゃんも大喜び。あとで聞いたところによるとhalcaさんのオタクが一番盛り上げてくれたようだ。彼らの中の一人は後に「自分たちは盛り上がりたくて好き勝手やってただけ」とtwitterでゆってて事実その通りかもしれないけれど、盛り上がらないよりはよほどうれしい。アオちゃんは「みんなと響きあいたい」アイドルなのだから。迷惑行為したわけじゃないしね。ワンマンライブでは恒例の写メ会が開催されなかったのは残念。あの楽しさを他のオタクにも味わってほしかった。

2018年の反省と2019年の展望

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さて、ライブが終わって。ひとけがない西新宿を歩きながら考えたののは、「響木アオのオタク……というか私、大人しすぎ……?」ということだった。


響木アオはアイドルになりたいVtuberである。アイドルとはなんだろう、と考えた時「ライブを演者と観客が一体となって作り上げていく」と言う人は多い。アオちゃんの楽曲の多くもコール&レスポンスを意識して作り上げられている。


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しかし、オタクの方は二次元方面からやってきた人がメインで、リアルアイドル現場経験がある人は少ない印象だ。アオちゃんの曲は公式コールが存在するので、それでも初心者は入っていきやすいし、多少は練られてきたと思ったのだが……この日のアオ推し以外のオタクを見ていると、経験値の差を実感させられた。


もちろん、現場にはその現場なりの盛り上がり方がある。他の現場のアレなところを無闇に取り入れて厄介勢が生まれてしまうのは避けたい。ヲタ芸などについても賛否はあるだろう。でも、もうちょっとなんかこう、アオちゃんのためにできることがあるんじゃないか……?


私はアオちゃんのライブでは基本的にソロ参加だし、性格的にも現場の統制を取るタイプではない。でも、他の現場を知っておけば勉強になるだろう。年が明けて「アイドル甲子園」に参加したのは、そういう考えもあった。


でも、実際行ってみると想像以上に多種多様なグループがいてなおさら分からなくなりましたねアイドル業界。共通点は女の子であるという点くらいかなーと思ったらゲイアイドル「二丁目の魁」なんて人らもいたし。ダンスキレッキレだったし。あ、Vだと画面処理能力などの問題もあるしソロで活動してる人が多いんだけど、アイドルは今やっぱりグループアイドルがほとんどっていうのは明確な違いではあるかしら。


……そんな感じで2019年はリアルアイドルとも響きあっていければと思います。Vのアイドルからリアルアイドルに入ってくというのもそれはそれでも面白いし。

*1:対バンではお決まりの光景らしい。別にアンケートを取ってるのではなく、ライブハウスのレンタル料など会計上の問題だとか。最初はグッズでももらえるのかと思った……