アニメ化記念公式グッズ・ダイキャスト武器「オーフェンの魔剣」の謎
二〇年ぶりの再アニメ化に、ラノベ「魔術士オーフェン」が盛り上がっている。……少なくとも盛り上げようという気概は感じられる。
放送開始は二〇二〇年一月だが、池袋となんばでは、公式グッズを扱う期間限定ショップがいち早くオープン。アニメ名物「絵の中の状況がいまいち掴めない謎版権イラスト」を使ったグッズが発売されて、「本当にアニメ化するんだなあ」という実感がようやく湧いてくるなどした。中でも注目すべきは、ショップ公式アカウントが「オーフェンの魔剣」と呼ぶ「ダイキャスト武器」¥5,500(税別)。なにせこのグッズ、原作読者の誰一人としてその由来が分からず、「オーフェンの魔剣ってなんだ……?」と困惑している代物なのだ。
寸法はW40mm×H140mm。せっかくだからと思ってアニメ試写会の物販で購入してみたが、やはりその正体は謎のまま。刀身に彫られた文字列は魔術文字かと思ったらただの版権表記だった。放送に先んじて*1商品化されたアニメオリジナルの魔剣、というのが無難な落とし所だろうが、サクッと無視して色んな可能性を考えてみたい。
*1:というかアニメの放送が遅れたために本来同時進行だったはずの周辺展開が核のアニメに先行してるともっぱらの噂。私の中で
ラブコメ漫画の二極化 恋のシーソーゲームとヒロインレースの競技性
男性向けラブコメ漫画の楽しみ方って、ここ数年で二極化してると思うんですよね。自分の中で。
一対一のレクリエーションラブコメ
一つは「からかい上手の高木さん」や「僕の心のヤバいやつ」「かぐや様は告らせたい(初期」「保安官エヴァンスの嘘」など、付き合ってない男女が、日常に溢れるちょっとした遊びやらなんやらの中で恋のシーソーゲームを繰り広げるやつ。主導権をどっちが握ってるのか、両想いなのかなどは作品にもよる。勝ち負けはさして重要ではない。レクリエーションラブコメ、シチュエーションラブコメとでも言おうか。これにSF (すこしふしぎ)要素を足すと「上野さんは不器用」になる。なるか? なるんだよ。
登場人物が増えても、メインの男女cpが対称関係であることは変わらず。二人の間に余人が入り込む余地はない。それは読者も同じだ。私達は延々続く遊びと書いてイチャイチャと読むやつを見せつけられ、最終的には砂糖の柱になって死ぬ。
私がこの手の作品を最初に意識したのは、入間人間のラノベ「多摩湖さんと黄鶏くん」だった。これが2010年なんで、もう随分長いブームだなと感じてる。
女の子たちが主人公をめぐって切磋琢磨するヒロインレース
そしてもう一つは、ルール無用のヒロインレースを楽しむハーレムラブコメ。「ぼくたちは勉強ができない」の中盤くらいまでは、一、二週替わりで各ヒロインの渾身のエピソードが続く。読者はどのヒロインにベットするかで毎週掌を返してると言われるくらい、予測不能のヒロインレースだった。
ぼくたちは勉強ができない 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 筒井大志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/06/07
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今は人気投票で桐須先生がぶっちぎりだったこともあり誰が一着か分からない混線模様からは抜け出してる(と思う)けど、途中参戦の教師ヒロインが勝てるのか? といった懸念も根強く、状況はまだまだ予断を許さない。私の一推しは妹の水希ちゃんです。
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TVアニメ「魔術士オーフェンはぐれ旅」2020年版第1話を妄想する
「魔術士オーフェン」新作アニメは2020年1月から放映と発表された。企画が発表されたのが2018年3月。それから1年以上ほとんど何の音沙汰もなかったのでハラハラし通しだったけど、今回声優も発表されてるし、さすがにもうポシャることはないだろう。多分。
舞台版からの着想
「オーフェン」は過去にもアニメ化されている。その時の内容は、一期は原作をベースにしつつオリジナル、二期はほぼ完全にアニメオリジナルというものだった。今回は、まあこのご時世だし、明言こそされてないものの、原作に寄り添った形になると思う。ただ、既に原作が完結しているからこそ*1、エピソードの順序などを再構成するという手はあるかもしれない。
……というのは、先日アニメより一足先に上演された舞台版「オーフェン」を観て感心したからなのだけど。
「オーフェン」には大きく分けて三つのシリーズが存在する。時系列順に並べると、
- オーフェンの少年時代、魔術士養成学校《牙の塔》を描いた「プレ編」
- 行方不明の姉アザリーを探し、数年放浪した果てに流れ着いた商都トトカンタ。そこでの騒がしい日々を綴るドタバタコメディー「無謀編」
- トトカンタにて、意外な形で姉と再会。その後紆余曲折を経て、弟子のマジク・ワガママお嬢様のクリーオウを連れて再び旅に出る本編「はぐれ旅」
となる*2。それぞれに毛色が違うということもあり、従来のメディアミックスでは別々に展開されていたが、舞台版では「はぐれ旅」の随所に「プレ編」のエピソードを挟んでいる。これによって物語は一層の盛り上がりを見せていた。
舞台版はアニメとキービジュアルをかぶらせたりしてるし、PVを視聴しても、アニメの構成は舞台とそう変わらないのではないかと予想している。のだけど。いっそのこと、これに「無謀編」も接続してしまったらどうかなと。具体的には「無謀編」連載最終話「これで終わりと思うなよ!」を【第零話】的に一話目に持ってきたら、という思いつきが浮かんだ。この短編は「無謀編」の〆であると同時に、「はぐれ旅」の前フリとしての側面も持っているからだ。