周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

平成約30年間のカドカワベストセラーランキング(各年)

GWが始まった4月27、28日。幕張メッセドワンゴによる「ニコニコ超会議」というイベントが開催されました。
その中でひときわ目立ってたのが、平成の間にカドカワが出版した書籍を(ほぼ)全て展示したというブックタワー。


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同時に各年ごとのランキングトップ10が掲載されていたので、書き出してみます。
詳しい集計方法とかは見つけられなかったんですが、おそらく

  • その年に刊行された書籍の中で
  • 今に至るまでめっちゃ売れたやつ(つまりその年に限った部数ではない)


をランキングにしてるのかなと。米澤穂信の『氷菓』とか、発売当時はほとんど売れず二作目で一回シリーズ中断してるので、その年の売上だけだとランクインするとは思えないんですよね。
あとカドカワは組織の再編や合併を繰り返してるのですが、どこまでを「カドカワ」に含んでるのかもちょっと謎。電子書籍を入れてるのかも不明。
各書籍のリンク先は2019年現在入手しやすい版になっている、はず。
表記揺れはご勘弁ください。

  • 平成元年(1989)
  • 平成2年(1990)
  • 平成3年(1991)
  • 平成4年(1992)
  • 平成5年(1993)
  • 平成6年(1994)
  • 平成7年(1995)
  • 平成8年(1996)
  • 平成9年(1997)
  • 平成10年(1998)
  • 平成11年(1999)
  • 平成12年(2000)
  • 平成13年(2001)
  • 平成14年(2002)
  • 平成15年(2003)
  • 平成16年(2004)
  • 平成17年(2005)
  • 平成18年(2006)
  • 平成19年(2007)
  • 平成20年(2008)
  • 平成21年(2009)
  • 平成22年(2010)
  • 平成23年(2011)
  • 平成24年(2012)
  • 平成25年(2013)
  • 平成26年(2014)
  • 平成27年(2015)
  • 平成28年(2016)
  • 平成29年(2017)
  • 平成30年(2018)
  • ざっと眺めてみて

平成元年(1989)

1:銀色夏生『微笑みながら消えていく』(単行本)

微笑みながら消えていく

微笑みながら消えていく


2:水野良『ロードス島戦記 2』角川スニーカー文庫
3:銀色夏生『詩集ロマンス』(角川文庫)
4:麻宮騎亜『サイレントメビウス 1』(コンプコミックスDX)
5:内田康夫『琥珀の道殺人事件』(角川文庫)
6:内田康夫『恐山殺人事件』(角川文庫)
7:吉本ばなな『パイナツプリン』(単行本)
8:宗田理『ぼくらの大冒険』(角川文庫)
9:赤川次郎『結婚以前』(角川文庫)
10:田島昭宇『魍魎戦記MADARA(摩陀羅)1』(ドラゴンコミックス)

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Vtuberドラマ「四月一日さん家の」Wプロデューサー講演会のメモ

4月11日、GREEによる「VRSionUp」というVR技術の研究会? で「バーチャルYouTuberドラマ『#四月一日さん家の』誕生秘話~色々あって、ここまで来ました。」という講演の場が持たれた。
これはテレビ東京初のVtuberドラマ「四月一日さん家の」に関するもので、テレ東のプロデューサー:五箇公貴と、VR技術を担当した株式会社ハローのP:赤津慧の二名を招いたもの。


www.youtube.com


四月一日さん家の」の主演はときのそら響木アオ、そしてVtuberとしては新人の猿楽町双葉。キャストだけのあるいはキャストを交えてのトークというのはこれまでもあったしこれからもあるだろうけど、この組み合わせは結構稀じゃなかろうか。


当日の講演の様子はyoutube liveでも配信されていた。全くの門外漢の私も視聴することができた。アーカイヴもあるが結構長いので、メモを残しておく。なお私は技術的なことに関しては全く無知です。


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 https://www.youtube.com/watch?v=u23h46mkvlE&feature=youtu.be&t=3395

製作経緯

  • テレ東の五箇Pが、電脳少女シロちゃんの番組「サイキ道」(テレビ朝日)に関わっている構成作家酒井健さん(「四月一日さん家の」にも参加)と話していて、何かVtuberの企画をやりたいということになった。
  • テレ東の上層部もVを認識しだした頃だったので、軽く企画を出したらすぐやれと言われた。普通もうちょっと予算とか聞くだろ! テレ東ってすげえざくっとしてんなと思った。
  • ただしテレ東はVのノウハウがないので、株式会社ハローの赤津Pに話を持っていった。赤津Pの方は、当時Vでストーリー性のある何かをやりたいと思っていたので思惑が合致した。
  • 予算は普通の1クール深夜ドラマくらいはかかっている。
  • 企画が動き出してから放送までは10ヶ月ほど。3Dなどを扱ってる方には分かると思うが、この期間で1クール30分12本の映像制作はかなりタイト。その限られた期間で何をやるかが鍵だった。
  • Vtuberのいる「空間」を大切にしたい、と考える中で、外に出て色んな所でロケして、背景を作り込んで……となっていくと普通の3DCGアニメと変わらなくなってしまうのではないか。そう考えて舞台が家の中に限定されるシチュエーションコメディにした。コスト的にもそれが向いていた。
  • 具体的な事例としては「やっぱり猫が好き」「フルハウス」。若い人的には「みなみけ」を連想するかも。
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森見登美彦をつくった100作

文藝別冊:森見登美彦』より。一人の小説家、監督につき一作品のみ挙げています。
本誌では本人のコメントつき。


小学生時代

A・A・ミルン 石井桃子:訳『くまのプーさん』(岩波少年文庫

クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))

クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))

オトフリート・プロイスラー 中村浩三訳『大どろぼうホッツェンプロッツ』(偕成社

大どろぼうホッツェンプロッツ (偕成社文庫 (2007))

大どろぼうホッツェンプロッツ (偕成社文庫 (2007))

イエルク・シュタイナー イエルク・ミューラー おおしまかおり:訳『ぼくはくまのままでいたかったのに……』(ぽるぷ出版)

ぼくはくまのままでいたかったのに……

ぼくはくまのままでいたかったのに……

ペーター・ニクル ピネッテ・シュレーダー 矢川澄子訳『ラ・タ・タ・タム』(岩波書店

ラ・タ・タ・タム―ちいさな機関車のふしぎな物語 (大型絵本)

ラ・タ・タ・タム―ちいさな機関車のふしぎな物語 (大型絵本)

ダニエル・デフォー 坂井晴彦:訳『ロビンソン・クルーソー』(福音館書店

ロビンソン・クルーソー (福音館文庫 古典童話)

ロビンソン・クルーソー (福音館文庫 古典童話)

ヒュー・ロフティング 井伏鱒二:訳『ドリトル先生アフリカゆき』(岩波少年文庫

ドリトル先生アフリカゆき (岩波少年文庫)

ドリトル先生アフリカゆき (岩波少年文庫)

名探偵ポワロ

名探偵ポワロ 全巻DVD-SET

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宮崎駿天空の城ラピュタ

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リチャード・ドナーグーニーズ

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スティーブン・スピルバーグインディ・ジョーンズ』シリーズ

インディ・ジョーンズ コンプリート・アドベンチャーズ [Blu-ray]

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マジカルユミナ(花守ゆみり)と声優が名前を出してvtuberすること

マジカルユミナは、「LoveR」というギャルゲー(PS4)の販促のために生まれた。ゲーム本編に登場する主人公の妹「優美菜」を元にした、バーチャルシスターだ。彼女はお兄ちゃんの理想の芸人妹になるべく、制作サイドの無茶ぶりに応え、バーチャルyoutuberとして視聴者と交流することで、日々研鑽を積んでいる。「マジカル」要素は衣装以外にはない。


www.onsen.ag


声優としてモーション担当として優美菜/ユミナを「演じて」いるのは、若手人気声優・花守ゆみり。代表作に「ゆるキャン△各務原なでしこ、「かぐや様は告らせたい」早坂などがある。

優美菜orユミナorゆみりの今日もお兄ちゃんねる♪


ユミナ:ゆみりは公然の秘密ですらなく、動画内でも、右上に「CV&ACT:花守ゆみり」とテロップが表示されている。でもお便りで花守さんこんばんはって書くと花守さん? 誰かな~? って返してくれるし、一応花守ゆみりユミナに声と動きがよく似てる人、ということになってるような、でもガバガバ設定のような……その辺の茶番も楽しみの一つだ。


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https://www.youtube.com/watch?v=K4jJ1x2iaWw


そもそもゲーム内の「優美菜」は15歳だけど、彼女を元にした「ユミナ」はなぜか9歳の姿。ユミナはこの設定をいいことに、ゲームとは違った立ち位置を獲得している。


性格も、優美菜は兄に対してぐいぐい迫る、ギャルゲーらしい肉食系妹だけど、ユミナの方はプレゼントに欲しいものって言われて「土地」って答えたり、やたらと足癖が悪くてすぐにお兄ちゃんに蹴りをかましたり、フォークで刺したり、他のヒロインとのフォトセッション実況*1でキモオタムーヴかましたり。やりたい放題の悪ガキ感あるいはおっさん感はある。


オタクの間では、「中にゆみりちゃんが入ってない本編の優美菜を私たちは愛せるのか*2」「ユミナの方を攻略したい」、というのは喫緊の課題であった。それほどにユミナのキャラは強かった。


ユミナのキャラについては、ラジオなどでも垣間見られるゆみりちゃんの素が出ているのだと言われるけれど、さてどうだろう。それもまた演じているのではないかという気がする。声優に限らず人間は誰でも他人の前では様々なペルソナを使い分け云々……。


マジカルユミナ会心の動画は、「LoveR」の優美菜ルートをユミナとしてプレイしてみるものだろう。自分の似姿が攻略されるギャルゲーをプレイして奇声を上げるユミナ。画面上ではユミナと、優美菜と、ゆみりとがそれぞれの存在をかけて押し合いへし合い殴り合い。三人がごっちゃになったカオスが現出している。


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https://www.youtube.com/watch?v=yBKaXN0jF6o


それでも、大元は花守ゆみりという一人の声優だ。動画冒頭のクレジットがそれを再認識させてくれる。……このVtuberの演者の名前が公表されている」という事実に、心のどこかで気楽さを感じている自分がいる

*1:「LoveR」はヒロインの写真を撮って楽しむゲームです

*2:声のみ花守

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ずっと好きだった原作が掘り起こされて再アニメ化する際に望む三つのこと

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過去に一度アニメ化したものの「続編」や「リメイク」じゃなくて、「再アニメ化」の話です。過去のアニメとは無関係のやつです。

  • 無理に全部やろうとしなくていい
  • 声優は基本的に全取っ替えしてほしい
  • 広報やグッズ展開はどれだけはっちゃけてもよい

無理に全部やろうとしなくていい


以前のアニメはオリジナル要素が多かったから、今度は原作に忠実に……というパターンをよく見かける。じゃあなんで前回そうなったかというと、その時点では原作の分量が足りなかったとか、原作が完結してなかったけどアニメはアニメで一度終わらせる必要があったとか、そんな理由っぽい。


しかし、10年、20年経って再アニメされるような作品は、その後も巻数を重ねて大長編になっていることが多い。そうなると、今度はアニメの方が十分な尺を用意できない。ただでさえ1クールが基本のご時世だ。最盛期を過ぎた原作をアニメ化するっていうだけでも既に大博打だろう。


そういう時、もうこんな機会二度とないだろうからと、多少無理してでも今ある原作を全部やるのか。あくまで作品としての出来を重視してやれるところまでやって、二期に繋ぐのか。私は後者を支持する。最初から最後まで映像化することそれ自体がアニメの目的と化して、ダイジェストにはなってほしくはない。どこまでが無理な端折り方になるのかは意見が別れるところだろうけど……


断腸の思いでエピソードを厳選するのも一つの手ではある。劇場版「攻殻機動隊GITS」や「スプリガン」みたいに特定の話だけ映画にしてもいい。ただ、いきなり劇場版というのは新規ファンも期待できなさそうだし、それはそれでハードルが高そうだ。


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TVシリーズなら、今やってる「ブギーポップ」は全18話で4冊分5エピソード。このくらいがギリギリだと思う*1。16巻を2クールできれいにまとめあげた「魔法陣グルグル」は奇跡のバランス過ぎた*2。ほんとどうやったらあんな芸当が成立するのか。ギャグは多少ちょっぱやでやるくらいのほうがケツカッチンにならないとはいえ……

*1:最初の「笑わない」除く

*2:漫画と小説がごっちゃになってますが気にしないでください

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