マジカルユミナは、「LoveR」というギャルゲー(PS4)の販促のために生まれた。ゲーム本編に登場する主人公の妹「優美菜」を元にした、バーチャルシスターだ。彼女はお兄ちゃんの理想の芸人妹になるべく、制作サイドの無茶ぶりに応え、バーチャルyoutuberとして視聴者と交流することで、日々研鑽を積んでいる。「マジカル」要素は衣装以外にはない。
声優としてモーション担当として優美菜/ユミナを「演じて」いるのは、若手人気声優・花守ゆみり。代表作に「ゆるキャン△」各務原なでしこ、「かぐや様は告らせたい」早坂などがある。
優美菜orユミナorゆみりの今日もお兄ちゃんねる♪
ユミナ:ゆみりは公然の秘密ですらなく、動画内でも、右上に「CV&ACT:花守ゆみり」とテロップが表示されている。でもお便りで花守さんこんばんはって書くと花守さん? 誰かな~? って返してくれるし、一応花守ゆみりはユミナに声と動きがよく似てる人、ということになってるような、でもガバガバ設定のような……その辺の茶番も楽しみの一つだ。
そもそもゲーム内の「優美菜」は15歳だけど、彼女を元にした「ユミナ」はなぜか9歳の姿。ユミナはこの設定をいいことに、ゲームとは違った立ち位置を獲得している。
性格も、優美菜は兄に対してぐいぐい迫る、ギャルゲーらしい肉食系妹だけど、ユミナの方はプレゼントに欲しいものって言われて「土地」って答えたり、やたらと足癖が悪くてすぐにお兄ちゃんに蹴りをかましたり、フォークで刺したり、他のヒロインとのフォトセッション実況*1でキモオタムーヴかましたり。やりたい放題の悪ガキ感あるいはおっさん感はある。
オタクの間では、「中にゆみりちゃんが入ってない本編の優美菜を私たちは愛せるのか*2」「ユミナの方を攻略したい」、というのは喫緊の課題であった。それほどにユミナのキャラは強かった。
ユミナのキャラについては、ラジオなどでも垣間見られるゆみりちゃんの素が出ているのだと言われるけれど、さてどうだろう。それもまた演じているのではないかという気がする。声優に限らず人間は誰でも他人の前では様々なペルソナを使い分け云々……。
マジカルユミナの会心の動画は、「LoveR」の優美菜ルートをユミナとしてプレイしてみるものだろう。自分の似姿が攻略されるギャルゲーをプレイして奇声を上げるユミナ。画面上ではユミナと、優美菜と、ゆみりとがそれぞれの存在をかけて押し合いへし合い殴り合い。三人がごっちゃになったカオスが現出している。
それでも、大元は花守ゆみりという一人の声優だ。動画冒頭のクレジットがそれを再認識させてくれる。……この「Vtuberの演者の名前が公表されている」という事実に、心のどこかで気楽さを感じている自分がいる。