周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

会いに行けるVtuber響木アオちゃんのチェキ会沼にドハマリしました

アオちゃんの魅力を挙げていったらキリがありませんが、その一つにリアルイベントに積極的であることが挙げられるでしょう。今年のバレンタインにデビューしたばかりなのに、既に三度のワンマンライブを成功に収め、八月からは全国六ヶ所を回るライブツアーを予定しています。


www.youtube.com


正統派アイドル路線というのが、イベントでの今のところの基本方針。なので、Vtuberのリアルイベントってどんなんだろとちょっと興味を持った人も入っていきやすいと思います。音楽活動に力を入れていて、オリジナルソングの豊富さはVtuber随一!(多分 中でも「chuchuchuダーリン」は公式がコール動画を上げてるだけあって、毎回盛り上がります。エモさなら過ぎ去った青春を思い起こさせるひらりフワリまほうの鏡号なんていうトンチキな飛び道具も備えています。


www.youtube.com


私が毎回楽しみにしているのは、イベントの最後に行われるチェキ会*1。1度目はチェキ券が完売してしまい、他の人が楽しそうに撮影してるのを指をくわえて眺めているだけだったのですが、2度目で実際に体験してみてああ、これヤバい……! このためにイベント全通したい……! と実感しました。 

Vtuberとの接近戦の楽しさ


アイドル界隈では、チェキ会は握手会やサイン会と並んで定番の接近戦イベントのようです。文字通りアイドルと至近距離でお話できる楽しい時間ですが、性質上よからぬことを考える輩も出てきます。その点、ディスプレイに映ったアオちゃんとお話しする形のVtuberの接近戦は安心安全。アオちゃんの魂は、会場の何処か別の場所から、カメラによる映像で我々を見守ってくれています。


コミュ障のオタク的には、画面に向かって喋るならそれほど緊張しないのも助かりますね。緊張自体は別に悪いことではないのですが、推しを目の前にして頭真っ白になって何喋ったか覚えてないクソア! というのは接近戦あるあるであります。画面の向こうの相手となら俺だって目を合わせて話せるんだ!


そうは言ってもアイドルがそこにいないのに「接近戦」とは……? と思う向きもあるでしょう。Vtuberと直に交流したいなら、我々のほうが機材を揃えてアバターを作ってVRchatなどに突入するほうが未来感があるかもしれません。でも、そこはアオちゃんへの愛と工夫次第。二次元の存在であるアオちゃんと三次元の存在である我々という境界を逆に利用して、ディスプレイ越しに掌を合わせたり、自分の指をポインティングデバイスに見立ててアオちゃんの目がそれを追いかけてるように見せかけたり、配信動画のあのポーズを取ってもらったり、一緒に大根抱えたり*2。思い思いの手法でみんな楽しんでいます。

*1:第二、三回では自分たちのスマホで撮影してもらいました。チェキ会というより写メ会……?

*2:アオちゃんの好物が根菜で、クイズの景品としてファンにプレゼントされた

続きを読む

「ズッコケ三人組」シリーズ電子版配信スタート! 思い出の七選

Amazon.co.jp: ズッコケ三人組 - 文学・評論 / Kindle本: Kindleストア


ついに、とうとう、待望の「ズッコケ」シリーズ電子書籍化がスタートした。全50巻(中年三人組シリーズを入れると60巻!)と巻数が多いし、刊行期間は1978-2004年と長く続いたシリーズだし、一度手放して、また買い直したいと思ったものの、二の足を踏んでた人は私以外にもいたのではないでしょうか。


sube4.hatenadiary.jp

sube4.hatenadiary.jp


お調子者のハチベエ。のんびり屋のモーちゃん。本の虫のハカセ。小学六年生の男子三人は会社を起したり無人島でサバイバルしたり江戸時代にタイムスリップして暗殺される直前の坂本龍馬と遭遇したり、八面六臂・大人顔負けの大活躍。でもその後大体つまずく。だからこそのズッコケ三人組。離婚問題や天皇などタブーなど存在しないかのように那須正幹先生は諸問題に切り込み、時に読者にトラウマを植え付けることもしばしばだった。特に印象深いものを挙げていく。

  • ズッコケ(秘)大作戦
  • あやうしズッコケ探検隊
  • ズッコケ山賊修業中
  • うわさのズッコケ株式会社
  • ズッコケ結婚相談所
  • ズッコケ文化祭事件
  • ズッコケ三人組の未来報告
  • 終わりに

ズッコケ(秘)大作戦


シリーズで随一の鮮烈な印象を残して去っていった美少女・北里真知子通称マコが登場。転校生の彼女は、借金取りから逃げ回っている実情を覆い隠している、虚言壁の持ち主だった。美人で、家はお金持ちで、性格もよくて……という設定のためには、幼い子どもにお駄賃をやって川で溺れているフリをさせ、自身それを助ける、といったようなことも辞さない。三人組に訪れる淡くて切ない恋、というにはあまりにも。あまりにも……! 結局三人組が途中でそのことに気づいたのも知らず、彼女は最初から最後まで優等生を演じきった。ただただ「そういう子」もいる、と示してみせる那須先生は、虚言癖を一概に「嘘はいけないこと」として作中で更生させるよりもずっと厳しい。


ズッコケ中年三人組 41歳の(秘)大作戦 」では彼女のその後が語られている。マコは相変わらずマコであった。

続きを読む

「フレームアームズ・ガール」の女児アニメっぽさと源内あおちゃんの話

フィギュアやプラモを主力とするメーカー・コトブキヤが生んだメカ美少女。それが「フレームアームズ・ガール」だ。同社のロボットプラモデル「フレームアームズ」シリーズを擬人化したものが発端となってる。キャラデザは「ストライク・ウィッチーズ」「ガールズ&パンツァー」などで有名な島田フミカネが担当した。TVアニメでは、AIを搭載した手乗りサイズの美少女ロボットにごっつい武器を装備して、闘わせて遊ぶという設定。立川の女子高生・源内あおとのところに「轟雷」を始めとするFAガールが訪れ、データ収集のためといって何故か住み着いてしまい……というストーリーが展開される。


アニメ「フレームアームズ・ガール」は女児アニメっぽいとゆわれることがある。ちっこくて可愛いお人形さんや妖精さんと人間の女の子との交流を描く。そういう路線だ。FAガールのAIはまだまだ発展途上で、轟雷の精神年齢は人間に換算すると10歳程度。彼女はあおとの生活を通して、おつかいしたりお掃除したり。色んなことを学び、「感情」が何なのか知り、成長していく。シリーズ構成の赤尾でこが女児アニメ方面のキャリアも豊富な人でもあり、制作サイドもその辺りは意識してたらしい。

杉山:人は出さないという話もありましたね。
川口:でも、一応FAガールとは別に人間の主人公がいた方が良いだろうと。それで、小さなペットと女の子が交流する話みたいな方向にまとめていったんですね。
――本編を観ていてなんとなく匂い立つ女児アニメっぽさは、そういうことから来ているんですね?
川口:ええ、そこは割と狙ってやってたところはあると思います。そこに、あおがパーツを組んだりとかFAガールが部屋を作ってみたりというホビーテイストを入れ込んでる感じですね。


http://best-times.jp/articles/-/6284

続きを読む

TVアニメ「クレヨンしんちゃん」のホメオスタシスとトランジスタシス

ホメオスタシス=今を維持しようとする力はれっきとした生物学用語だけどトランジスタシス=変えようとする力はエヴァンゲリオン作中で使用された造語。これ定番のマメな。


sube4.hatenadiary.jp


クレしん」は、20年以上やってるような国民的アニメの中では変化に寛容な方だ。というかいつまでも「昭和」の世界が維持され続ける「サザエさん」だって原作は新聞連載で時事ネタを貪欲に取り込んでいくスタイルだったのだけど、いつしか今の形に収まってしまった*1。比べれば、クレしん世界はまだ動いている。元々しんちゃんは原作からしてテレビで流行ってるネタを真似たりするのが大好きだから、というのはあるだろう。例えばみさえやひろしはすっかりスマホを使いこなしてるし、iOSのアシスタントAI・Siriをもじったキャラクター? 「オシリ」も定着している。コラボレーションを果たしたその時時の人気芸能人やドラマやアニメは数知れない。そうしたゲストへのいじり方も手慣れたもので、一回こっきり登場の芸能人をまるで昔からアニメ世界に存在してたかのようになじませてくる。全然関係ないけどVtuberのキズナアイちゃんにクレしんデビューしてほしい。


若手声優もゲストキャラやモブとして頻繁に起用してくれるのがうれしい。今年に限っても、水瀬いのり伊瀬茉莉也佐倉綾音加隈亜衣桑原由気山下七海といった既に人気を確立した若手から春瀬なつみ鈴木絵理古木のぞみ大野柚布子田中貴子までが新たに入ってきてて、声オタ的には垂涎の現場と言える。

*1:たまに実験的に液晶テレビが登場したりはしている

続きを読む

秋田禎信「エンジェル・ハウリング」フリウ編連載時次回予告集

月刊ドラゴンマガジン富士見書房)の2000年06月号~2004年03月号にかけて連載されていた小説、秋田禎信「エンジェル・ハウリング」(フリウ編)の次回予告集です。このシリーズは文庫書き下ろしのミズー編と連載のフリウ編が交互に進んでいくというのが特徴で、ミズー編の方には予告はありません。またフリウ編も文庫化された際には予告は未収録となっています。

第1部


生あるすべての存在を拒否する硝化の森で、フリウはさらなる邂逅を果たす。大気さえ息を潜める死の寒さの中で出逢ったもの。それは、彼女を楽園へと導く天使か、それとも煉獄へと誘う悪魔なのか……。鈍色に輝く物体が冷気を切り裂くとき、フリウの運命が大きく動き出す! 次回エンジェル・ハウリング第2話「スクウェア・ダンス(森に踊る)」。
胸の鼓動だけが、ただ熱い――


硝化の森で拾った少女を連れて、家に戻ったフリウとべスポルト。だがほんの数日の内間*1に、そこは以前のような安息の場所ではなくなっていた。村に現れた、黒く冷たい死刑執行人たちと赤く気高い炎の獣。明確な意志を持った危険がフリウたちを包み込もうとしていた……。次回エンジェル・ハウリング第3話「レッド・ライオン(真紅の獣)」。彼女の希望とは無関係に世界は動いている――


スポルトを狙う女の殺し屋。逮捕しようとする警衛兵。父に危機が迫っていることは明白だった。だがフリウの問いかけにべスポルトはなにも答えようとはしてくれない。会話は少なくても理解していたと思っていた義父の態度に苛立ち哀しむフリウの下したある決断とは? 次回エンジェル・ハウリング第4話「サリオン・ピニャータ(出会いと再会)」大切な物ほど一瞬で壊れてしまうから……


炎で焼かれた木や小屋。高熱で飴状に解け固まった地面……。村を探索するフリウとサリオンが見たものは黒衣と女精霊使いの戦いが残した生々しい爪痕だった。それは8年前に起きた事件をフリウに思い出させる。眼帯に隠された左目が見つめ続けてきた哀しい記憶とは? 次回第5話「ディスエンチャンテッド・メモリーズ(その昔、あったこと)」。
忘れたい。でも忘れてはいけない。


黙って娘への手紙を書き続けるべスポルト。静かにそれを観察するマリオ。そして音もなく現れた黒衣。沈黙が支配する部屋に、精霊が発動する音が響き渡るとき、新たなる惨劇の幕があがる。そして家路を急ぐフリウの前には、あの女殺し屋が傷だらけの姿で立ちはだかっていた。次回第6話「オーバートーン(広い世界のせまい一点)」。言葉では伝えられない想いを伝えたい――


「私に関わってはいけない」
やっとの思いで辿り着いた我が家。そこでべスポルトからフリウに発せられたのは冷たい一言だった。思いもしなかった義父からの拒絶にフリウは動揺する。しかし感情を整理する暇もなく、彼女の背後には黒衣の凶刃が迫っていた。次回エンジェル・ハウリング第7話「スピットファイア(破壊の精霊)」。分かり合える相手は、たった一人でよかったのに……。


純粋な破壊。そんなものがありえるのだろうか? しかしそれは間違いなくそこにいた――破壊精霊ウルトプライド。フリウの左目から解放されたそれは、原初の響きにも似た叫びをあげると活動を開始した。ただ殴る。ただ壊す。村が瓦礫と化していく様を、フリウはただ見つめるしかなかった……。次回第8話「ジャンピングオフ・プレイス(最果ての出発点)」。
全てを失った後残る物。それが罪。

続きを読む