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周回遅れの諸々

90年代にオタクとしての青春を過ごした人のブログです

アダルトアニメ業界の良心 太多秀太・山本佐和子コンビ

エロアニメ業界は狭い。や、詳しい業界規模とかそんなのは知る由もないけれど、製作会社の新規参入とか滅多にないし、監督や脚本家のメンツもクレジットを信じる限りではここ数年あんまし変わり映えしない。当然その中で、この人の作品は合うあの人は合わないっていうのは固定化されてきている。監督:太多秀太、キャラデザ/作画監督:山本佐和子というのは自分にとって、かなり信頼できる組み合わせではある。


この手のアニメは一般向けと比べて予算が少ない、とよくゆわれる。予算がないアニメはどうなる? ひとつには、グリグリ動かせなくなる。長時間の滑らかな動きは期待できなくなる。どうせ動かないならツールに作画を任せてしまえばいいじゃない、という考え*1の元制作されているのがイノベーティブアニメ。これはこれでひとつの回答だ。


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そうではなく、既存のアニメの枠内でやろうとするなら、どこに力を入れてどこで抜くか、ペース配分が重要となる。一般向けだけど、庵野秀明新房昭之は極端なまでにそこを突き詰めて、天下を取った。


この二、三年でスタジオ1stを拠点に精力的に作品を発表してきた太多秀太・山本佐和子コンビの作る映像には、ゴージャスさは感じられない。同じ太多監督なら、多分「恋まぐわい」などの不死原ミキヲさんのほうがキャラは整っている。作画カロリーも多分そこまで高くない。


あかざわRED原作のロリ物「LO Re」、
Rip@Lip原作の人妻寝取られ「サグラレ堕メ」、
エルフソフト原作のNTR物……のような何か「麻呂の患者はガテン系」、
鎖キャタピラ原作、父親と娘の近親相姦もの「娘ワレモノ」、
犬原作の女子高生と教師の禁断の関係を描いた「フルエルクチビル」、
美矢火原作のサトラレ物「オトメヒメ」……。


でも、私にとって気持ちいい描写はきっちり押さえてくれている。重力に負けたおっぱいとか、快感で浮く腰とか、正常位の時のやり場のない手とか、後背位で爪先立ちしてる足元とか、ベッドのシーツの衣擦れとか、細かいところの仕草で魅せてくる。動き自体は少なくてもピストンの時に上下にカメラを動かすカットを無駄に長引かせたりせず、適度に画面を切り替えて退屈させない。逆に予算がこれらの作品群よりたくさんあるように見えてグリグリ動いてるような作品でも、それがエロさに繋がってないようなものって結構あるんだけど、その辺りこのコンビは安心できる。


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また、これは監督の手柄かどうかわからないけど、キャスティングも的確だなあって思う。「麻呂」「コワレモノ」「サグラレ堕メ」に登場するトボけたおっさんを演じる小宅悠一さんとか、いい演技だった。ただこのコンビは直球のコメディにはあんまり向かないかしら。


山本佐和子は30年以上のキャリアを持つベテランアニメーターで、「ラブライブ!」で有名な西田亜沙子などを育てたそうだ。一般向けでも精力的に活動していて、「ガンダム」「ドラえもん」「プリキュア」など有名タイトルにも当たり前に関わっている。エロではアリスソフト原作の「夜が来る!」(2002)が印象的。同じくアリスソフトの「超昂閃忍ハルカ」(2009)を経由して、「フルエルクチビル」(2014)からは太多監督とコンビを組んでいる。


その監督は2012年の「アイドル候補生」からキャリアをスタートさせてるけど、それ以前の経歴は不明。単に私が把握してないだけかもしれないけど、一般向けで活躍してる誰かの変名だったりするんだろうか。また「夜這いする七人の孕女」などでプロデューサーもこなしている。このコンビの作品では必ず絵コンテを描いてる「巴里」って人も気になる。脚本の佐和山進一郎、は言うまでもなく現状この業界で多分一番本数書いてる人ですね。


この文章では「低予算だけどがんばってる」的な、実に失礼な褒め方をしたけど、一度でいいからこの二人には十分な予算と時間をかけた作品を作ってもらいたい。……クラウドファンディングワンチャン?

*1:要出典

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