リアルアイドルに楽曲提供するバーチャルアイドル 響木アオのオリジナルソング全12曲を紹介
9月24日。響木アオちゃんのavexメジャーデビューライブは、三連休の最終日に行われた。バーチャルyoutuberとして今年2月にデビューし、4月、TSUTAYA三軒茶屋店でのインストアライブを皮切りにリアルでのアイドル活動を開始。以降順調に回数を重ね、これが8回目のイベント出演となる*1。
- avex Wデビューライブ!
- 記念すべき一曲目! 「電子のシンフォニー」
- バリピに憧れてまーす 「はらぺこパレード」
- 正統派アイドルポップ! 「ChuChuChuダーリン」
- 裏定番 「まほうの鏡号」
- 頭にこびりついて離れない! 「物販の歌」
- いつも生配信に遅刻してしまうのでその戒めとして……「遅刻」
- つよつよな響木アオ 「ひらりフワリ」
- 正直な君が好き「スーパーチャット」
- ときのそらちゃんとのコラボ 「青空ステージ」
- ちょっとアンニュイな響木アオ? 「またね」
- 語彙はないけどそれがどうした 「DA!DA!DA!大根」
- タオルぶん回し曲 「流れ星ぐるぐるり」
- 新たな始まり 「スタートの合図」
- あとは
avex Wデビューライブ!
会場はMAGNETby渋谷109屋上。パフォーマンスは既に慣れたもので、avex繋がりで大塚愛「さくらんぼ」をカバーしたり、コール&レスポンスを要求したり、写メ会ではファンのハンドルネームをいじったりして会場を沸かせていた。アオちゃんの願いどおり、直下のスクランブル交差点を通る人達まで熱気は届いただろうか。
一時期ぼっちキャラ推しだったアオちゃんだけど、会場には多くの人が来場していた。avexのかわもPは、なんとアオちゃんが初のプロデュースだという。三茶での1stライブを観て響木アオに可能性を感じたとか。握手会が一時中断したとき、休憩中だっていうのに画面から離脱しても鼻歌歌ってるアオちゃんをたしなめたり*2、じゃんけん大会ではアオちゃんの大好物である大根を丸々一本ずつ観客席まで届けたり、とても忙しそうだった。相棒のコアパン(のぬいぐるみ)は大根に突き刺さりながらもアオちゃんのことを見守っていた。アオちゃん曰く「リアルコアパン」のスタッフは、後ろの席からでも見やすいようにアオちゃんをお立ち台にあげてくれた。
もちろん観客側も色んな人がいる。アオちゃん全通勢も、中村繪里子さん経由で知ったという人も、アオちゃんが楽曲提供する予定のアイドルグループ「たこやきレインボー」のファンの人も来てくれた。たこにじファンの人は接近戦めっちゃつよくて、ドルオタとして踏んできた場数の多さを感じさせた。……
アオちゃんは昔から「歌ってみた」のみならず、オリジナルソングで勝負できるVtuberとして評価されてきた。どの曲も作詞作曲のクレジットは本人名義となっている。「たこやきレインボー」始め他アーティストに楽曲提供するプロジェクト「AOturing(アオチャリング)」もその流れから。今回のライブはアーティストとしてのデビュー、作詞作曲者としてのデビューという二つの意味を持ってる。アオちゃんの作る音楽ジャンルは多彩だけど、渋谷系サイコパスウサギという通称が示す通り、聞く人が聞くと渋谷系ポップスを連想するみたい。
以下で各楽曲を簡単に紹介してみる。一応初出順。ちな筆者には音楽に関する語彙は全くない。音源の入手経路は曲によって各種サイトで配信されてたりライブの生歌のみだったり。CDは今のところイベントでの物販限定です。
※追記:12曲って書いたけどその時点で「スーパーチャット」を失念してしてたので書き足しました。というわけで13曲です。
記念すべき一曲目! 「電子のシンフォニー」
「あなたと響き合いたい」というアオちゃんのキャッチフレーズを歌った曲。ガチめの作詞作曲とは裏腹の謎ダンスに、初出時、視聴者は小学生の娘が居間でノリノリで踊ってるような印象を受けた*3。「電子の海を渡って……」で高音を出そうとする時の、今にも消えてしまいそうな「弱い」声が、アパートの一室で一人遊びしてた頃のアオちゃんと重なる。5月の新宿TSUTAYAでのトークイベントではアコースティックver.も披露された。
バリピに憧れてまーす 「はらぺこパレード」
イッツブロードウェーーーイミュージカーーーールって感じで聞いてるだけで踊りたくなってくるような、パーリー感ある曲。そういえば1stライブで「パリピに憧れてま~す! みんなも憧れてるでしょ~?」って呼びかけたアオちゃんに、観客は「お、おー……?」って感じの反応だったなあ。まあVtuberのファン層なんて私も含めてオタクばっかりだからそんなもんですよ(暴言
正統派アイドルポップ! 「ChuChuChuダーリン」
ライブでの定番にしてアオちゃんの名刺代わり。疾走感が気持ちいい。公式がイベント前にコール練習用動画を提供してくれたのが1stライブの成功に繋がってると思う。この曲でガチ恋口上の楽しさを知りました。超絶かわいいア・オ・チャン!!!
裏定番 「まほうの鏡号」
Youtube | 虹乃まほろとのデュエット(full ver.)
初手の自己紹介動画がえっちなビデオの面接っぽいということで注目されたアオちゃんのイメージを、以降しばらく完全に決定づけてしまった曲。まほうの……マジック……鏡……ミラー……号……。幸か不幸かアオちゃん最大の飛び道具に。画像はお友達の虹野まほろちゃんとコラボした時のもの。メジャーデビューに当たってこの曲の扱いがどうなるか注目されましたが、とりあえず今でも全国ツアーライブでも歌われてますのでご興味ある方は是非どうぞ。初出は「電子のシンフォニー」より前やんけ! というツッコミは許してこれ一番最初に持ってくるのも色々アレなので。フルはまほろちゃんコラボの時だから……
頭にこびりついて離れない! 「物販の歌」
ネタ曲その2は、イベントの物販でエンドレスで流れてる「物販の歌」。回数だけなら現場系オタクは一番聞いてるお歌。「活動資金が欲しいから今すぐ物販買って今ならチェキも撮れちゃうよ」とハイテンションかつド直球に訴えかけるアオちゃんに、財布の紐がゆるくなることうけあい。「チャリーン!」っていうレジのSEがほどよいアクセント。響木アオ現場は物販に並んでる間も飽きさせません。avexの他のアーティストがこれカバーして物販で流してくれたりしないかな……というのが、メジャーデビューに当たって私がひそかに期待してることです。「びばりば」イベのアオちゃんの物販で流れてた時は驚いたけど。他人様のイベントだぞ加減しろバカ*4!
新宿TSYTAYAでのトークイベントの時はオシャレな会場の雰囲気に合わせて妙に艶っぽいボサノヴァverが流れてました。歌詞だけ変えた「クラファンの歌」もあります。
いつも生配信に遅刻してしまうのでその戒めとして……「遅刻」
ってそんな理由でオリジナルソングを作ってしまうフットワークの軽さがアオちゃんの魅力ではある。でも今も相変わらず時々遅刻してる。そして待ってる間、視聴者は「遅刻」を聞き続けるのでした。「そのタスクなにちゅー?」が最後疑問形で語尾上がり気味になるのがかわいい。
つよつよな響木アオ 「ひらりフワリ」
アニメのエンディングっぽいとよく評されてて、ライブの〆なんかにもピッタリ。「弱虫なわたしにさよなら」囁くような出だしから始まって力強く伸びていくサビが頼もしく、初期のか弱いアオちゃんはここまで大きくなったんだと泣かされる。今のところいちばんしゅき。
ときのそらちゃんとのコラボ 「青空ステージ」
先輩Vtuberときのそらちゃんとのユニット「青空ラビッツ」の一曲目。ウサギキャラつながりということで、二人で披露する「ぴょんぴょんぴょんぴょんぴょーんぴょん」がてえてえなあ……完全版の公開が望まれる。
ちょっとアンニュイな響木アオ? 「またね」
ジュークボックスから流れてくるのが似合いそうなレトロな香り漂うメロディとアオちゃんの可愛らしい声が合わさって、不思議な味わいになっている。真夏に降る雨をイメージしたしっとりした曲。普段とは違って男の子目線で作詞に挑戦したとのこと。アイドルは男の子目線の曲を歌うもの(秋元康感
語彙はないけどそれがどうした 「DA!DA!DA!大根」
アオちゃんの大好物である大根をテーマにした曲だけど、歌詞の頭空っぽのほうが夢詰め込める感がすごい。完全に勢いだけで突っ走ってる。でもそこが嫌いじゃない。歌ってる最中にアオちゃんが披露するヘドバンは見もの*5。
タオルぶん回し曲 「流れ星ぐるぐるり」
つよつよ響木アオその2。この辺りで「アオちゃん、可愛い系ももちろんいいんだけどかっこいい系のほうが声出しやすそう……?」 という疑念が生まれる。タイトルにあるように観客がタオルをぶん回すパートがあり、バーチャルシンガーとしてのアオちゃんの特徴は、この曲のように最初からリアルライブでやること前提で楽曲制作を行ってそうなところ。「見上げた空に流れ星 神様が勇気くれた 手を上げてつかまえよう」という歌詞は、この半年間リアルアイドルとのラジオでもマジックミ……まほうの鏡号でも激辛焼きそばでもやれることならなんでもやってきたアオちゃんならでは。画像は「スタートの合図」って書かれてるけどこの曲も収録されてるCDのジャケット。
新たな始まり 「スタートの合図」
つよつよ響木アオその3。デビューライブにて初披露。アオちゃんの「これから」を歌った曲。物販で売られていたこの曲*6を収録したCDは、「流れ星ぐるぐるり」の項で貼った「VIRTUAL」と、上の「REAL」の二種類があり、アオちゃんの活動方針をうまく表現してると思いました。これからもアオちゃんはリアルとバーチャルの垣根を越えて「概念・響木アオ」として活躍していくのでしょう。みんな「スタートの合図」のMV観てね。
あとは
初期に披露した「マイアミ」とか、そらちゃんとのコラボ曲の没案「マグロ漁船青空丸(アカペラver.)」とかもトンチキで好きです。ていうか「青空丸」はいつか横アリで歌ってほしいかなり本気で*7。 オリジナルソング以外、「歌ってみた」についてはこちらでまとめられてます。
- ジャミロクワイの「Virtual Insanity」を8bit風にしたやつとか
- 1番を日本語、2番を英語で歌った「はじめてのチュウ」とか
- 初音ミクの「廃墟の国のアリス」とかあります。
- かしこまりちゃんとデュエットしたジャクソン5(TWICE)の「I WANT YOU BACK」もちゃんまりの大人っぽさとアオちゃんの可愛さがうまく噛み合ってました。
コラボもして、カバーもして、楽曲提供もして、どんどんみんなと響き合っていってほしいな。