周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

当ブログのSSL対応のお知らせ

当ブログは本日をもってSSLに対応しました。実は私もこの、えすえすえる……? というやつについてはよく分かってないのですが、なんか閲覧者の方の通信がより一層安全になる技術だそうです。対応しないとgoogleさんから怒られるのです。


分かり易い変更点としては、とりあえず、URLの最初がhttpからhttpsになります。はてなブログのほうが自動でリダイレクトしてくれるので、外部からリンクしてくださってる方がいても、貼り替えの必要はありません。記事上の最新記事一覧忍者画像RSS (旧:忍者レコメンド)と記事下の関連記事表示「あわせて読みたいG」は以前のものではhttpsに対応しておらずうまく動いてくれなかったため、別のものに変えました。ちょっと様子を見てこちらも思い通りに動作してくれないようだったら、また他の手段を考えます。


細かい部分はこれからちょこちょこ手を加えて行こうと思います。何かおかしいところがあればご指摘ください。これからも当ブログをよろしくお願いします。

三十代。文章系サークル、コミケ初参加、初同人誌。完売。うれしい。

sube4.hatenadiary.jp


ひと月前、夏コミの二日目にサークル参加してきました。秋田禎信というデビュー25年を数えるベテラン作家の読本を頒布。目玉は全著作レビュー。お陰様で、家から持っていった分はめでたく完売。今夏は例年以上の暑さが続き、コミケはこれ地獄なんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、開催時期はやや過ごしやすくなっていて。皆さんのおかげでなんとか生きて帰ることができました。以下、次回からのために申込みからイベント終了後のアレコレまでを覚え書き。

参加申し込み~事前準備まで

コミケは一般参加、スタッフ参加(一度だけ)はしたことがあり、いつかサークルとしても出たいなあという漠然とした考えはありました。踏ん切りがついたのは、「声ヲタグランプリ」という声ヲタ系評論誌にお誘いいただき、二回ほど寄稿してから。これ楽しそうだなあ自分でもやってみようかなあという想いが強くなり、声ヲタグランプリを買いに行った冬コミで、申込書セットを購入。そのまま参加申し込みをしました。


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題材に秋田禎信を選んだのは、それなりに長い間インターネット上で氏の読者として活動してきて、こういう本なら興味を持ってくれる人がいるかな、というのと、今までに書いた感想をうまいことリサイクルできるかなという打算考えによるもの。代表作「オーフェン」の再アニメ化が決まったのは、申し込みをし終わってからでした。まあ近年の作品展開からアニメ化は時間の問題だろうみたいな空気はあったのですが……*1

*1:欲を言えば版元が国際展示場駅にどどーんとポスターを貼ってくれるとうちのサークル的になおよかった

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中村繪里子・響木アオ・石川英郎出演 「びばりば!! 井戸端会議 EP4」レポ

声優・中村繪里子さんによるラジオ番組「びばりば!」のイベントが開催されるということで、ちょっとお邪魔してきた。ところはお台場TFTホール。お目当てはゲストのバーチャルアイドル・響木アオちゃん。「びばりば」と同じ、ラジオ関西の「アニたま」枠に番組を持っているという繋がりでのお呼ばれだ。他に同じくアニたまで「ロンハールーム」を10年以上続けてる、声優の石川英郎さんもゲストに名前を連ねている*1。逆に言えばそれくらいしか共通点がない三人が、一体何を話すのか……? 不安と期待で胸膨らませた私を出迎えてくれたのは、この曲だった。


www.youtube.com


アオちゃんの現場に通う人にはすっかりおなじみとなった「物販の歌」が、エンドレスで流れてた。会場入口では繪里子さんの物販と並んで、アオちゃんのグッズも発売されていた。……いや、他人様のイベントで単独物販コーナー設けるに飽き足らず物販の歌流すとかアオちゃんどんだけ強心臓なの!? 以前「物販の歌を権利フリーにして色んなアイドルや声優の現場で流れるようになったら面白いんじゃないかな~」みたいなこと主張したけど、これはなんか違うよ!? 大丈夫? 怒られない? コミケ以来、三週間ぶりのお台場は波乱の予感に満ちあふれていた。

*1:ラジオの相方は同じく声優の諏訪部順一さん。今回は別のイベントに行ってたため不参加

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「オーフェン」新シリーズの発端「あいつがそいつでこいつがそれで」10周年に寄せて

以下の文章は、筆者がコミックマーケット94で発行した同人誌「秋田禎信1992-2018」のために執筆したものです。ブログ掲載に当たり一部加筆修正をしています。


sube4.booth.pm


秋田禎信全著作レビューを書こうと思い立った時、ふと、「全」とはどこからどこまでを指すのか悩んだ。商業ラインに載ったものだけか、特典の類いはどうするのか、シリーズものは何冊出てても一作としてまとめるのか。結果的には、商業出版物オンリーで、シリーズものについてはこれはここまでで区切れるだろうというような、筆者の恣意的な区分けになってしまったわけだけど……例外的に、このレビューだけはどうしても書いておきたかった。  


「あそこそ」は、「魔術士オーフェンはぐれ旅」新シリーズ一作目「キエサルヒマの終端」の、初出時のタイトルである。作者のサイトでひっそりと始まった本作は書籍化され、TOブックスでの新展開に繋がり、やがては再アニメ化までたどり着く。この新シリーズについてはまた別に書いているので、レビューの対象範囲が一部被ることになる。だからこれは作品自体というより、それを私たち読者がどう受け止めたかというような体験談だ。


この小説の構想自体は第二部のエピローグとして、旧シリーズの完結当時――2003年時点から存在したという。結局書かれずじまいだったそれは、富士見書房二十周年企画として執筆され、でも今度は企画の方が流れてしまい、原稿がお蔵入りになってしまう。紆余曲折を経て、2008年、秋田が公式サイト「モツ鍋の悲願」の雑記で無料公開することになったのは、最近あんまり雑記を更新できてなかったのでその穴埋めに、ということだそうだ。「モツ鍋」自体は更新されなくなって久しいが、現在も「あそこそ」は当時の形のまま読むことができる。


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 http://www.motsunabenohigan.jp/oldnote/oldnote.htm (2008.09~2009.04)


キエサルヒマ大陸を覆う結界を魔王の力によって取り払ったオーフェンは、大陸の外に出ることを決意する。目的は、借り物のの力を本来の持ち主である魔王スウェーデンボリーに返すこと。旧シリーズのラスト、病院でオーフェンの旅立ちを見送ったクリーオウは彼を追い、他にも何やら懐かしい面子がたくさん彼の周囲に集まってくる。次々に明らかになる新事実、クリーオウのネオ相棒としての覚醒、無謀編のヒロイン・コギーやキースまでがはぐれ旅の流れに合流するなど、見処満載の作品になっている。

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「文学少女」シリーズの野村美月は、エロゲ「仰せのままに☆ご主人様」のシナリオライター村中志帆だった

エロゲのシナリオライターラノベ作家はそこまで遠い関係ではない、と思う。だから、自分が好きな作家が別名義でシナリオを担当したエロゲを知らず知らずのうちにプレイしてた、なんてこともまああるかもしれない。でも、そっち方面の数をさしてこなしてるわけでもない自分が、あの野村美月の数少ない担当作をプレイする確率ってのはどれほどのものなんだろう。   



野村美月は2001年に『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回ファミ通エンタテインメント大賞*1小説部門〈最優秀賞〉を受賞してデビュー。その受賞作に始まり、初手からいきなり3ヶ月連続刊行(それも全部別のシリーズ)と彼女の船出は華々しく、売り出す側の期待の高さが伺われた。しかし、それに反して売り上げは伸びず……2006年、ガラリと作風を変えた*2文学少女」シリーズでようやくブレイクする。著者曰くどのシリーズも1巻は売れるんだけど2巻目以降がダメだったのが、「文学少女」は逆に右肩上がりに伸びていったそうだ。このシリーズはタイトル通り古典文学への入門ラノベとして唯一無二の地位を築いている。公共図書館学校図書館が率先して購入するラノベは本作かキノかってくらい。多分*3


今回、野村がシナリオ担当作として挙げたのは【桜月】というレーベルの「仰せのままにご主人様」。エロゲー批評空間のデータベースによるとシナリオライターとしてクレジットされているのは【村中志帆】のみなので、これが野村の別名義ということで間違いないのだろう。村中のキャリアは以下の通り。

発売年月 レーベル タイトル 備考
200611 Princess Soft 保健室へようこそ(PS2) コンシューマ移植版。牧ひろあきと共同
200609 桜月 SilveryWhite ~君と出逢った理由~ 御子石大郁、織田濃子と共同
200605 BunBun 保健室~マジカルピュアレッスン♪~ -
200511 桜月 仰せのままに★ご主人様! -
200407 Princess Soft 3LDK ~幸せになろうよ~(PS2) 御子石大郁と共同
200403 DEEPBLUE DEEPBLUEファンディスク 11人の胸キュンLOVE! 同レーベルの二作のゲームの外伝を収録。御子石大郁と共同
200312 ソフガレノベルズ 3LDK(1) 日菜&のえる編 ノベライズ
200306 DEEPBLUE 3LDK 御子石大郁と共同


デビューから二年後~「文学少女」で人気が出てブレイクする直前くらいまでに集中している。この間、表名義での仕事が殊更に減ってたってわけでもないのだが*4、糊口をしのぐというか別の業界で活路を見出すみたいなところはあっただろうか。

*1:現・えんため大賞

*2:でも根っこは変わってない

*3:少女向け含めると「ジャパネスク」とかもあるだろうけど

*4:野村の執筆ペースを考えると少ないかもしれないけど、それでも年三冊は出してる

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