周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

「TVアニメゆるキャン△ 公式ガイドブック 野外活動記録」を読んだ備忘録

声優、スタッフ、そしてほとんど表に出てこない原作のあfろ先生も含めて、対談やインタビューなど貴重な証言がたくさん掲載されてたので、覚書。

佐々木睦美(キャラクターデザイン):動きでは育ちの良さを意識しました。ドリンクを飲むときも手を添えるし、座るときはスカートでもパンツスタイルでも内股で座る女の子らしさがあります。


志摩リンについて。この手の作品のキャラって基本的に育ちは良いよね。子供だけでキャンプしたいという願いに理解がある寛容さもそれっぽい*1。「女の子らしさ」という点では、なでしこに「焚き火で乾燥してるから」と化粧水を貸してあげるシーンが好きです。

あfろ(原作):初めはリンの友達キャラとして少し出てくるだけのキャラだったんですが、担当さんの推しキャラだったため途中からメインキャラにしようという事になりました。他のメインキャラの名字が地名なのに恵那だけ名字が地名じゃないのはそういう理由です。(…)

京極義昭(監督):(…)「ゆるキャン△」の中では斉藤さんが一番手強いですよ(笑) なんだか手のひらで転がされそうな気がする。僕と原作担当編集の黒田さんは、彼女のそういったところが気に入っています。(…)


関係者にファンが多そうな斉藤さん。あの独特の距離感は元々あまり登場する予定がなかったからなのか……。少し出てくるだけの友達キャラとしてはいきなりリンちゃんの髪いじってたり存在感めっちゃ強いけど、どの辺りでアニメメインビジュアルの内一人になるほどにしようと決めたんだろう。

*1:さすがに誇張はされているけれど

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「推しが武道館行ってくれたら死ぬ」「バーフバリ」「Vtuber」で知った、誰かを一心に応援したいという気持ち

特定の何かを丸ごと愛するという経験をしたことがない。オタク物心ついた頃からそうだった。「エヴァ」も「スレイヤーズ」も「オーフェン」も絶頂級にハマっている最中でさえどこかしらに不満があり、twitterなりブログなりで感想を書く時触れずにはいられなかった。そんな自分が嫌かというと、必ずしもそうでもない。どんな些細なことでもくだらないことでもいいから自分の心動かされたことを自分の言葉で書き残しなさい、というのが今はなき「俺ニュース*1が最後に教えてくれたことで、この十数年できうる限りそうしようと努めてきた。たとえそれがネガティブなことであろうとも、だ。また多くのファンは全く不満を感じないのではなく、感じても口に出さないだけなのだろう。


……それはそれとして、今でも、一度くらい作品なり作家なりを全面的に肯定してみたいなあと考えることはある。

  • 「推しが武道館行ってくれたら死ぬ」愛すべきドルヲタの世界
  • 「響木アオ」相手がバーチャルでも応援したい気持ちは変わらない
  • アイカツ!」女児アニメの中のドルヲタ
  • 比嘉智康作品」俺TUEE作品のモブキャラになってリアクション芸を極めたい
  • 「バーフバリ」大衆は英雄の意思とは無関係に彼の名を呼ぶ

「推しが武道館行ってくれたら死ぬ」愛すべきドルヲタの世界


漫画「推しが武道館行ってくれたら死ぬ」は、数多あるアイドル物の中でも、ドルヲタに焦点を当てているのが特徴だ。地下アイドル「Cham jam」のセンター・れおをずっと追い続けてる古参のトップオタ・くまささん、NO.2空音のガチ恋勢・基さん、そして最下位の舞菜一筋限界女オタク・えりぴよさん。主にこの三組のアイドルとドルヲタの悲喜こもごもが、繊細なタッチとシュールなギャグを交えて描かれている。「CDを積む」「接触」「繋がり厨」etcetc……。現実に使われてるドルヲタ用語が飛び交い、オタクでない読者も「現場」の臨場感を味わえる


*1:00年代前半に人気を博した個人ニュースサイト

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響木アオwiki的なそうでないようなページ

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last update:2019.05.07

  • 響木アオとは
  • 所属(もしくは参加)
  • 関連人物
  • 経歴
  • オリジナルソング
  • リアルイベント
  • TV・ラジオ出演等
  • インターネット番組
  • その他
  • Vtuberとのコラボ
  • インタビュー
  • 各種リンク

響木アオとは


アイドルを目指す女の子である。01月07日生まれ。京都出身。2018年02月14日からバーチャルyoutuberとして活動を開始した。
好きな食べものは大根。キャッチフレーズは「みんなと響きあいたい」。

所属(もしくは参加)

関連人物

経歴

2018/02/14 Youtubeにて動画投稿開始。3月からはニコニコにも転載
2018/04/21 TSUTAYA三軒茶屋店にて初のリアルイベント「響木アオ1stライブ~みんなと響き合いたい~」開催。物販やチェキ会なども行われた
2018/05/24 Youtube連続投稿100日記念として「ChuChuChuダーリン」のMVが公開。これをもって100日連続動画投稿を終了。以降は不定期に
2018/06/04 全国ツアーのためのクラウドファンディングを開始。期日の7月13日までに目標金額の500万円を上回る約630万円を調達。またこれに絡んで所属会社が「株式会社ハロー」であること、小原トメ太が関わっていることを明かす
2018/07/07 ラジオ関西にて初の冠ラジオ番組「響木アオを応援するラジオ」開始
2018/07/20 バーチャルタレント支援プロジェクト「upd8」への参加を表明
2018/08/01 公式ファンクラブ「アオランド!」開設
2018/08/18 全国6箇所でのツアーを出身地の京都から開始。11月24日に札幌で千秋楽を迎えた。
2018/08/23 アイドル/作詞・作曲家としてavexからメジャーデビュー。発表は渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンから行われた。楽曲提供第一弾はアイドルグループ「たこやきレインボー」
2018/09/24 MAGNETby渋谷109にてavex Wデビューライブを開催
2019/01/31 より気軽に生放送をするため、live2Dモデルの導入を発表
2019/02/11 活動1周年記念ライブを池袋HUMAXで開催
2019/04/21 主演ドラマ「四月一日さん家の」テレビ東京系で放映開始

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リアルアイドルに楽曲提供するバーチャルアイドル 響木アオのオリジナルソング全12曲を紹介

9月24日。響木アオちゃんのavexメジャーデビューライブは、三連休の最終日に行われた。バーチャルyoutuberとして今年2月にデビューし、4月、TSUTAYA三軒茶屋店でのインストアライブを皮切りにリアルでのアイドル活動を開始。以降順調に回数を重ね、これが8回目のイベント出演となる*1

  • avex Wデビューライブ!
  • 記念すべき一曲目! 「電子のシンフォニー」
  • バリピに憧れてまーす 「はらぺこパレード」
  • 正統派アイドルポップ! 「ChuChuChuダーリン」
  • 裏定番 「まほうの鏡号」
  • 頭にこびりついて離れない! 「物販の歌」
  • いつも生配信に遅刻してしまうのでその戒めとして……「遅刻」
  • つよつよな響木アオ 「ひらりフワリ」
  • 正直な君が好き「スーパーチャット」
  • ときのそらちゃんとのコラボ 「青空ステージ」
  • ちょっとアンニュイな響木アオ? 「またね」
  • 語彙はないけどそれがどうした 「DA!DA!DA!大根」
  • タオルぶん回し曲 「流れ星ぐるぐるり」
  • 新たな始まり 「スタートの合図」
  • あとは

avex Wデビューライブ!


会場はMAGNETby渋谷109屋上。パフォーマンスは既に慣れたもので、avex繋がりで大塚愛さくらんぼ」をカバーしたり、コール&レスポンスを要求したり、写メ会ではファンのハンドルネームをいじったりして会場を沸かせていた。アオちゃんの願いどおり、直下のスクランブル交差点を通る人達まで熱気は届いただろうか。


一時期ぼっちキャラ推しだったアオちゃんだけど、会場には多くの人が来場していた。avexのかわもPは、なんとアオちゃんが初のプロデュースだという。三茶での1stライブを観て響木アオに可能性を感じたとか。握手会が一時中断したとき、休憩中だっていうのに画面から離脱しても鼻歌歌ってるアオちゃんをたしなめたり*2、じゃんけん大会ではアオちゃんの大好物である大根を丸々一本ずつ観客席まで届けたり、とても忙しそうだった。相棒のコアパン(のぬいぐるみ)は大根に突き刺さりながらもアオちゃんのことを見守っていた。アオちゃん曰く「リアルコアパン」のスタッフは、後ろの席からでも見やすいようにアオちゃんをお立ち台にあげてくれた。


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左上は渋谷なのでしぶりんと


もちろん観客側も色んな人がいる。アオちゃん全通勢も、中村繪里子さん経由で知ったという人も、アオちゃんが楽曲提供する予定のアイドルグループ「たこやきレインボー」のファンの人も来てくれた。たこにじファンの人は接近戦めっちゃつよくて、ドルオタとして踏んできた場数の多さを感じさせた。……


アオちゃんは昔から「歌ってみた」のみならず、オリジナルソングで勝負できるVtuberとして評価されてきた。どの曲も作詞作曲のクレジットは本人名義となっている。「たこやきレインボー」始め他アーティストに楽曲提供するプロジェクト「AOturing(アオチャリング)」もその流れから。今回のライブはアーティストとしてのデビュー、作詞作曲者としてのデビューという二つの意味を持ってる。アオちゃんの作る音楽ジャンルは多彩だけど、渋谷系サイコパスウサギという通称が示す通り、聞く人が聞くと渋谷系ポップスを連想するみたい。


以下で各楽曲を簡単に紹介してみる。一応初出順。ちな筆者には音楽に関する語彙は全くない。音源の入手経路は曲によって各種サイトで配信されてたりライブの生歌のみだったり。CDは今のところイベントでの物販限定です。


※追記:12曲って書いたけどその時点で「スーパーチャット」を失念してしてたので書き足しました。というわけで13曲です。

*1:中村繪里子さんのラジオ「びばりば」のイベントにゲストで招かれたのを含めれば

*2:鼻歌歌ってたらたしなめれてるアオちゃんかわいい

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ラノベ系イラストレーターの大御所・いのまたむつみの40周年原画展に行ってきた

7月下旬、有楽町マルイで開かれたいのまたむつみ展に行ってきた。これは氏の画業40周年を記念してのもの。来場者の年齢層は比較的高めで、落ち着いて鑑賞することができた。


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いのまたむつみは言うまでもなく、日本を代表するイラストレーターの一人だ。そのキャリアはアニメーターを出発点としている。代表作には「幻夢戦記レダ」「サイバーフォーミュラ」「ブレンパワード」、小説の挿絵では「宇宙皇子」「風の大陸」「ドラゴンクエスト」、TVゲームでは「テイルズオブ~」など。こうして見るとファンタジーが多いのかな。昔、マイケル・ジャクソンが来日した際、書店で見つけた彼女の画集に一目惚れし、対談まで組まれることになったというエピソードは今でも語り草となっている。漫画「BASTARD!!」では作者の萩原一至は作中に登場する神にリスペクトを込めて「美の女神イーノ・マータ」という名前をつけてたりする。


私は特にイラストレーターとしてのいのまたに思い入れがある。大きな瞳に烏の濡れ羽色の髪(比喩表現)の美少女を描かせたら当代一だと、今でも思ってる。イラストレーターといえばいのまた、いのまたと言えばイラストレーターみたいなところはある(?)。最初に彼女の絵を目にしたのは「小説版ドラゴンクエスト」。多分、初めて読んだラノベだったんじゃなかろうか。「ドラクエ」と言えば、鳥山明のキャラクターデザインが唯一無二のものとして君臨している。最初は小説版のそれに「なんだか妙にキラキラしたドラクエだな……」と戸惑った。それが、繊細なタッチで描かれる美麗なキャラクターたちにすぐ夢中になっていった。中でも「ドラゴンクエストⅣ」の著者・久美沙織による耽美な描写は、いのまたのイラストにインスピレーションを受けてああいう路線になったんじゃないかと思うくらいハマってた*1


*1:どちらかというとデスピサロとロザリーの悲劇的な物語がそうさせたのだろうとは思う

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