周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

徳間書店がオタク文化にもたらしたもの

とか、誰か書いてくれないかなあと常々思ってる。


www.ccc.co.jp


読売出身のカリスマ経営者・徳間康快が一代で急成長させ、かつては田中芳樹銀河英雄伝説を擁してノベルス*1市場に確固たる地位を築き、宮崎駿=国民的アニメ作家が確立するまで「アニメージュ」でバックアップし続けた徳間書店。メディアミックスの先駆者ともゆわれている同社が、オタク業界に与えた影響は大きい。大きい、はずだ。しかし、80年代前半生まれの私が中高生の頃には、この界隈における徳間の地位ってのは、既に角川に喰われかけてた印象がある。

*1:新書と同じサイズの小説レーベル。大体二段組

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「このすば」のアクア様とカズマさんがオーフェンとコギーだった

数多の異世界転生物がヒット作を飛ばしている。中でも「この素晴らしい世界に祝福を!」は特に、90年代を生きた人たちにある種の郷愁をもって迎えられているみたいだ。


曰く「めぐみんの爆裂魔法はスレイヤーズのリナが使うドラグスレイヴだ」「じゃあめぐみんのライバルであるトモダチいない巨乳のゆんゆんはナーガ?」「めぐゆんはあの日僕らが夢見たリナーガの姿」「直球でファンタジーRPGパロやってるという意味ではフォーチュン・クエストなのでは」「いやグルグルだろう」「クズマさんのクズっぷりはむしろあかほり作品の主人公のそれでしょ」「いやなりきれてないじゃん」云々。


私なんかはアニメだけで言えば、なんだかんだで「これはゾンビですか?」が雰囲気的には一番近いと思うんですけどね。同じ金崎貴臣監督×上江洲誠シリーズ構成の。ラブコメのラブが薄めで疑似家族っぽいところとか。そういえばあっちでもドラスレパロやってたなあ。



さて。私は「オーフェン」が特に好きだったので、そっちと絡めて話すと(平常運転)、カズマさんとアクア様の関係は現代に甦ったオーフェンとコギー(無謀編時代)に見える。

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なつかしの異世界転生・召喚もの徒然語り

2月から3月にかけて、書評サイト「シミルボン」で連載書評を書いた。「なつかしの異世界転生・召喚もの」というテーマで全5回。過去に書いた感想を下敷きにさらっと済ませるつもりだったのだけど、思ったより手こずってしまった。


shimirubon.jp


取り上げたのは、


の5記事6作品。で、以下は連載の前に試しに書いてみたラフスケッチ的な文章。一つ一つの作品に焦点を絞ったシミルボンのほうと比べると思うがままに書き連ねてる感じ。連載と重複も結構あるけど、あちらで執筆候補から外したものも載っけてて、埋もれさせるのも惜しいので(あと連載の影響でこのブログの更新頻度が減ってたので)、こっちにあげてみます。


現在、ライトノベル・Web小説を中心に異世界転生・召喚ものが大流行している。でも、このジャンルはもちろん、昨日今日に生まれたものじゃない。Web小説書籍化の最右翼「ソードアート・オンライン」(ゲームの世界を舞台にした物語は別物って人もいるだろうけど)や無数の二次創作を生んだ「ゼロの使い魔」を現在に続く流れの起点と見る人もいれば、歴史物とはいえ「王家の紋章」の影響は無視できない、いやいややっぱファンタジーは海外発だろということで「ナルニア国物語」を挙げる人もいるだろうし、往きて帰ったり帰らなかったりする物語なら「神曲」「ファウスト」忘れんなとか、は? 異界探訪の原型はオルフェウスイザナギのアレだろ? って人もいるかもしれない。


とはいえ、私にはこの流れを解説できる教養も文章力もないので、ひと昔以上前のやつで、いくつか特に印象に残った作品を挙げてみるだけにする。

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平和な「のんのんびより」村を支配するベテラン声優・平松晶子

日常系アニメ「のんのんびより」を観たのん。田舎の女の子たちののどかな生活を描いた、「あっと」先生の漫画が原作。2013年に一期、2015年に二期が放映されたアニメなのん。



有名なアニメーション美術制作会社である「草薙」が思う存分力を奮った、大自然の四季の移り変わりは、眺めてるだけでうっとりしちゃうのんなー。


キャラクターでは、OLに間違われるくらいの高身長なのに内面はどこまでも子供っぽいほたるん。お調子者だけどお兄ちゃん大好きっ子ななっつん。この手のきららアニメの男キャラの背負った業として、画面にたまに映るけど一言も喋らないお兄ちゃん。お兄ちゃんをなっつんから奪おうとする*1強キャラ感あふるるこのみ姉。主役のれんちょんに駄々甘のヤンキー・駄菓子屋、なんかがいい味出してましたですのん。


でも、印象に残ってるという意味では、なっつんや兄ちゃんのお母さん・雪子さん(cv.平松晶子が一番だったりするのん。

*1:なお二次創作設定

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「寝取られてもいい。幸せになってほしい」理想のNTRを探して

もうすぐ春ですね。春は出会いと別れの季節ですね。ということは寝取られ(NTR)の季節でもありますよね。


NTRは好きだ。好きだと思う。断言できないのは、寝取られる対象が必ずしも彼女や奥さんでなくてもいいし、彼氏が登場しない話でもひげなむち作品とか好きだしそれは果たしてNTRといえるのか、というお定まりの議論があるからなんだけど。


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なんにしろ、映画「月光の囁き」でなんか言葉にできないムズムズを感じて、OVA秘湯めぐり」で「あ、こういうの好きかも」って確信して。それから10年以上、そういう人としてオタ活してきた。



以前はこのジャンルって例えばエロ漫画では浮気妻、それも熟女が好きな人が描いてる事が多かった印象なんだけど、ジャンルが認知されることにより裾野が広がって、好みのものが供給されるようになったのはありがたい。中でも、大学生物が人気あるような気がする。高校卒業と同時に人間関係含めた環境がリセットされるのと、今日も一日セックス三昧するだけの時間的余裕があるのがシチュとして好かれる原因かしら。そこは、このジャンルの特異性かなと思う。

  • NTRは童貞に優しいジャンル
  • なぜ快楽堕ちなのか。快楽上がりではいけないのか
  • この果てしないNTR
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