周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

妹の結婚式に出席してきた/高崎の白衣観音・洞窟観音にお参りしてきた

たまには普通の日記を。

 

結婚式でフォーマルスタイルに着飾ってる女性いいよね……

群馬の実家に帰って、妹の結婚式に参加してきました。90年代オタク的には、どんなに有名であっても「あ、これEOEのあのシーンで流れたやつだ!」という連想をどうしてもしてしまう「G線上のアリア」や「パッヘルベルのカノン」「主よ、人の望みの喜びよ」といったクラシックが流れ、カメラのフラッシュが瞬く中*1チャペルに入場してきた新郎新婦。

 

 

末っ子なのに兄弟で一番しっかりしている新婦は、ああ満面の笑顔ってこういうのを言うんだなあと思える晴れがましさ。新郎は大分緊張していたようでしたが、披露宴に入ってからは段々と緊張がほぐれていき、ここぞという時は堂々としたものでした。

 

披露宴は、ケーキ入刀はまだしも食べさせ合いっこは親族には目の毒だわ……とトイレに逃げたり、余興のスライドショーの字幕でwwwを生やしてて、俺の中の虹裏脳がぴくりと反応しかけたり。基本的にうちはお互い没交渉な兄弟仲だったんですが、新婦が両親にスピーチを読み上げるシーンはさすがにこみあげてくるものがありました。

*1:正式な教会じゃない場合、案外、参列者も撮影OKなことが多いんですね

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フジリュー版「銀英伝」が相次ぐ濃いキャラの登場で面白くなってきた

……気がする。

 

和製スペースオペラとして80年代に一世を風靡し、今もなお多くの人に読み継がれている田中芳樹銀河英雄伝説」。この小説を「封神演義」の藤崎竜が漫画化したものが、現在ヤングジャンプで連載されている。

 

 

youngjump.jp

 

舞台は遠い未来。専制国家の銀河帝国と民主主義を掲げる自由惑星同盟の間では、いつ果てるとも知れない戦いが続いていた。やがて時代は、それぞれの陣営に二人の英雄を登場させる……。というのがあらすじで、この連載は、帝国側の英雄・ラインハルトの幼年時代から始まる。

 

鳴り物入りで始まった連載だけど、序盤はあまり面白くなかった。原作ではそれほどキャラが立ってなかったフーゲンベルヒ伍長の、「お偉い貴族様」に対しての不良軍人っぷりとか、光るところは見受けられるはしたものの、フジリューの少年漫画然とした絵が、原作の硬さと喧嘩しているように感じられたからだ。

 

けれど、ラインハルトが軍の中で頭角を現し、自分から姉を奪った憎い皇帝と対面。そこで一旦、主役が同盟側の英雄・ヤンに移った辺りから違和感がなくなってきた。ヤンの原作由来のゆるいキャラクターもさることながら、それ以外の人物も、著者の中の何かが吹っ切れたのか、大いに藤崎ナイズされてきたからというのはありそうだ。なにごとも中途半端は良くない。

 

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加賀香子はだよもん星人かわいい 「ゴールデンタイム」の狂騒じみた大学生活

とらドラ!」で有名な竹宮ゆゆこの「ゴールデンタイム」(外伝含め全11巻)は、ラノベでは珍しい大学生ものだ。

 


 晴れて大学に合格し上京してきた多田万里。大学デビュー、東京デビュー、一人暮らしデビュー、と初めてのことづくしで浮足立つ彼は、入学式当日、不意打ちにあう。 圧倒的なお嬢様オーラ! 完璧な人生のシナリオ! 得意なのは一人相撲! 下手人の名は加賀香子。薔薇の花束を万里に叩きつけた彼女は、万里の友達でもある幼馴染みの柳澤を追いかけて、同じ大学に入学してきたという。しかし、柳澤からは避けられ、周囲からも浮きまくる。そんな眩しくも危うい香子を支援することになった万里の青春は黄金色に輝くのか?

 

高校までと大学との違いはなんだろう? まずは、自由度の高さが挙げられる。受講する講義、バイト、サークル、ゼミ、そして人間関係……。何をするにしてもそれまでと比べると選択肢は無限といっていいほど広く、一人では途方に暮れてしまう。親元から離れての独り暮らしなら尚更だ。

 

そして、大学に入るとかえって幼く振る舞うようになる人が多いとも言われている。思春期の身を切るようなセンシティブな空気は巧妙に覆い隠され、一方では就職が目前に迫っているという最後のモラトリアムの中だからだろうか。男も女も、自ら進んでバカになろうとする*1。これが一般的かどうかは分からないけれど、わたしの実感には近いし、同じようなノリでも高校生でやられるよりしっくりくる。

 

自由であること、幼くあろうとすること。この二つが合わさると、ラノベさながらの乱痴気騒ぎが生まれる。泣くにしても笑うにしても、彼らの感情は常に乱高下してて、とても忙しい。そんな狂騒を、竹宮ゆゆこ常に酔っ払っているような、卑近で猥雑で、でも所々妙にブンガクしてる文章が、活き活きと描き出す。まずはその圧倒的な膂力による筆致に振り回されるだけで楽しい。

 

*1:案外、社会人になってもバカやって学生以上に人生楽しんでる人は多い

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ラノベ作家ストレイドッグス 夢枕菊地氷室新井神坂秋田古橋秋山ヤマグチ桑島

※タイトルに特に意味はありません。

 

ラノベ作家は、かつての文豪のように異能バトルしたりはしない。けれど、同じ時代に活躍し、人気が拮抗していたり、代表作のジャンルが同じだったりすると、ペンで競い合うことはある。また本人たちにその気がなくとも、読者はどうしても比較してしまうものだ。

 

 

菊地秀行夢枕獏

菊地秀行(1949-)と夢枕獏(1951-)は70年代末〜80年代初頭にデビューし、ソノラマ文庫やノベルスにおいて、共に伝奇バイオレンスの分野で人気作家となった。1986年には、徳間書店「SFアドベンチャー」の増刊号として両者を特集した「夢枕獏VS菊地秀行ジョイントマガジン」が発売されている。
 

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両者とも今現在に至るまで多数の未完作を抱えているが、菊地先生はシリーズの大部分が1巻完結なのに対して、獏先生のそれは大河的に何巻もかけてひとつの筋を追うものが多い。心情も殴り合いもとにかく書き込む獏先生と、限界までそぎ落とすひどゆき先生の文体の違いもあるだろう。続けようと思えばいつまで続けられる作品と、終わりは見えているけど遅々として進まない作品。どちらが読者にとって幸せなんだろうか。
 
面白いな、と思うのは、両者とも作品にエロがたっぷり含まれているけれど、ぶく先生の場合、愛しあう男女の営みとしてSEXが描かれることもあるのに対して、ひどゆき先生は快楽の追求といった側面が強いということだ。ひどゆき作品にまっとうに? 愛しあう男女がいないわけではないものの、彼らはベッドを共にするまでは描かれない、といった印象がある。しかし「魔界都市ブルース」のエロシーンとかまるっきりおっさん向けなのに、あれで女性ファン多いんだからすごいよな……
 
現在、獏先生は「陰陽師」が大ヒットしたのを筆頭に「上弦の月を喰べる獅子」「神々の山嶺」「大江戸釣客伝」などで数々の文学賞を受賞するなど、80年代とは違った方向を開拓している。これに対して、ひどゆき先生はあくまで当時からほとんどブレずにエンタメの第一線で闘い続けている。

素人童貞の胸を打つおっぱいゲーム青春小説 土橋真二郎「OP-TICKET GAME」 

GWが終わった。社会人1年目の男性陣は、連休中に旧友と会って、どうだっただろうか。何か、学生時代と変わったところは見受けられただろうか。

 

……例えば、以前は下ネタなんて全くの無反応だったあの人が、平然とお水のお姉ちゃんの話をするようになっていたり? 二月かそこらではそんなに変わらないか。では、お盆休みなら? 正月なら? 2年後、3年後なら? 俺たちは二次元ひと筋だからこれまでも今後もそういうことは絶対にない。はたして、本当にそう言い切れるのか?*1

 


願いが叶うチケットがあるという。それは学校伝統のチケットで、使用者の願いを叶えるのだ。そのチケットを手にすることができるのは男子に限られ、そして願いを叶えるのは同級生の女の子だという。その名は―おっぱいチケット。…伝説は本当に存在する。―揉むか揉まれるか。“夢と希望”、そして“絶望”が表裏一体となった伝説のゲームが幕を開ける!『扉の外』『アトリウムの恋人』の土橋真二郎が贈る、最新“ゲーム”小説。

 

著者の土橋真二郎は、それまでどちらかというとシリアスなデスゲームものを書いてきた。「OP-TICKET GAME」(全2巻)は、クリスマス商戦をネタにしたラブコメゲーム小説「クリスマスM&A」を経て、大きくコメディに舵を切った初めての小説だ。クラスの気になるあの子のおっぱい揉み放題のチケットのため、男子たちが奮闘する姿を描く。

 

*1:あるいは、ホ別苺やNTRといったアレコレをネタにするのが好きな人がたくさんいる時点で、そういう人物像は幻想に過ぎないんだろうか

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