周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

お前はまだ本当の安中榛名を知らない(2017)

群馬の実家に帰る際、安中榛名駅に寄ったことがある。北陸新幹線の、高崎と軽井沢に挟まれた駅だ。榛名とついてるけど観光地として有名な榛名山とは連絡はない。一日の乗降客数は約200人。駅前にはコンビニどころか商業施設自体全く見当たらない。一説には、北陸新幹線開業時「県内に駅も作らないのに金出せるか!」と出資をつっぱねようとした群馬県を納得させるために設置されたのだとか。私が訪れたのもこれといって目的はなく、「飲み会のネタにでもなればいいか」くらいの気持ちだった。


高崎駅からこの駅までは新幹線で10分もかからない。ただ、本数が1~2時間に1本なので乗り過ごすと大変ではあります。料金は1180円。


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高崎名物「シャンゴ風スパゲティ」


駅一帯は山を切り開いて作られたようで、ホーム裏手は緑色の壁がそびえ立ってる。駅舎はまあ普通。改札を出たところには釜飯屋がある。壁には「俺たちはまだ本当のグンマを知らない」とのコラボポスターが貼ってあった。なんつう皮肉だ。


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お外に出ると、開放感のある風景が広がってる。駅前の駐車場は無料で使えるそうで、結構埋まってた。目の前の道をまっすぐ降りていくと謎のギリシャ風建築物「天空の丘」があり、そこからJR東日本の分譲住宅地「びゅうヴェルジェ安中榛名」が一望できる。


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東京への新幹線通勤を見込んでたらしいけど、一般住民にはお高いし、いくらなんでもこの立地は……と思ってたら、この住宅地、去年には完売したそうで。


trafficnews.jp


2003年に分譲開始だから、実に15年越しの快挙。まあ群馬だし、新幹線が高くとも県内通勤なら車っていう手もあるしね。なお入居率は不明。


帰りは信越線の磯部駅まで歩くことにする。前述した通り新幹線の本数が少なかったし、地図上では10km未満でそれほど離れてないように見えた。でも、この判断が間違いだった。びゅうヴェルジェを抜けるまではきれいに舗装された道でなかなか優雅な散歩気分を味わえたけど、国道に出てからはいっこうに距離が縮まらない……。景色変わらない……。暑い……。おうち帰りたい……。もう既に季節は夏で、気温も結構高かったしなあ……。


結局、停留所でもないのに通りがかった路線バスに拾ってもらいました。しかもこのバス、安中榛名駅磯部駅を繋ぐやつで、安中榛名でも見かけたのだけど、運転手さんに聞いてみたら発車が30分後だったので、一度断ってるという……。


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秘境駅だからとバカにして……たわけではないけど、やっぱり外部の無責任な面白がりな仕方をしてた部分は否定できない。旅先で人の優しさに触れて、反省した。外部からなんとゆわれようと、そこに住む人がいる。当たり前のことだけど、旅行者としてそれを忘れてはいけない。