角川春樹、徳間康快、西崎義展……出版・エンタメ系偉い人を題材にしたノンフィクションを読む
オタクとして、そこそこ年を重ねてきた。ということは、わたしが子供の頃から好きな物を作り続けてきてくれた人たちはもっと年を取り、あるいは業界で揺るぎない地位に就き、あるいは既に自伝の一冊や二冊書くようになったということだ。これは別に狭義のクリエイターだけでなく、出版社の編集者やプロデューサーなんかも変わらない。それで、ここ2、3年ほどでそういう類のノンフィクションを何冊か読んでみました。
- 牧村康正+山田哲久『「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気』
- 佐高信『飲水思源 メディアの仕掛人、徳間康快』
- 角川春樹『わが闘争 不良青年は荒野を目指す』
- 富野由悠季『∀の癒やし』
- 辻信太郎『これがサンリオの秘密です。』
- あとは
牧村康正+山田哲久『「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気』
手塚治虫率いる虫プロからアニメ関係のキャリアをスタートさせ、「ヤマト」のプロデューサーとして有名になった西崎義展(1934-2010) の波乱万丈の一生を描く。
金女麻薬ヤクザと絵に描いたようなスキャンダラスな内容だけど、自分がこれまで読んできた自伝評伝と比べるとその人生から何らかの思想やストーリーを著者が読み取ろうとするようなところは表面的には少なく(著者がその時々での西村の考えを類推することはある)、ある意味淡々と取材内容を纏めてると言えるかも。
ヤマトが劇場版の前売り券や先着入場者に色んな特典をつけたり、ファンクラブを「公式」が積極的に活用したりと、内容だけでなく広報などの面でもオタク商売の祖となっているという話は面白かった。で、そのヤマトの「復活編」が同時期の、単行本を特典としてつけたワンピ劇場版に惨敗するという。
「うろつき童子」がタイトルすら出てこないのはHENTAI MANIAとしてがっかり。話題が話題だけに避けたのかとも思ったんだけど、実写AVを製作してたって話は出てくるんだよな。クレジットでは企画のみ参加となってるし、そんなに深く関わってなかったのかネタになるような話がなかったのか。
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