周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

「リルリルフェアリル」1年目声優別キャラクター一覧完全版/兼役の多さがもたらすもの

サンリオ・セガトイズ原作のキッズアニメリルリルフェアリル」はとても兼役が多い。誰がどのキャラを演じているのか一度整理してみようと、以前、こういうものを作った。


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あれから約3クール分が放映され、1年度目「リルリルフェアリル~妖精のドア~」は完結した。その間に新規のキャラクター、声優も増えた。上の記事を更新してもよかったけど、今回は一覧性を重視してexcelで表を作ってみた。htmlに変換したものも最後に一応置いておくけど、画像にしたやつのほうが見やすいと思う。


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基本的に同じ種族の中では被らないようにしてるのかな、と思う。レジェンドフェアリルがやたら多くてレジェンド感薄いのは、既存の分類に当てはまらないものはなんでもレジェンドフェアリルに入れてるからか。制作サイドも視聴者も。


本作の公式twitterアカウントは何かと声優推しだけど、本編の中では

  • 第36話「ヒューマルとフェアリルは恋ができないの?」で、りっぷ(cv.花守ゆみり)がフェアリルチェンジしたヒューマルの姿の時にとっさに出た偽名が「花咲ゆみり」
  • 第40話「愛のヒーロー!イケメンジョファイブ!」で夫婦役を演じた代永翼西墻由香はリアル夫婦
  • 産休から復帰した豊口めぐみの復帰第一回は「赤ちゃん」「子育て」をテーマにした第49話「大ピンチ!みんな赤ちゃんになっちゃった!」

など。


特にヒューマルを「演じている」りっぷの偽名が、中の人の声優としての名前のもじりというのは、色々おもしろいなと。


それと、以下は本作のキャスティングについて、兼役の多さに着目して書いた文章。2016年の夏コミで頒布された谷部さんの「声ヲタグランプリ vol.17」に寄稿したもの。そもそも上の兼役まとめは、この文章を書くために作成した。いつも以上にポエムめいていたこっぱずかしいけど、いい機会なのでここに掲載しておく。一部修正済。

兼役の多さがもたらすもの


妖精と聞いて、大体の人が納得してくれそうなイメージを挙げてみる。案外人間のすぐそばで昔から暮らしている。時折気まぐれに我々を惑わす存在。声が聞こえたと思っても、その姿を決定的にはつかませない。そんな諸々を含めて、声優って妖精≒フェアリルみたいだ、とまずは強弁してみたい。


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本作には、名前が付いているだけで既に80人以上のキャラクターが登場している*1。にも関わらずこれまでにクレジットされた声優は27名しかおらず、多くのキャストは二役、三役以上を担当している。兼役は役者の演技の多彩さをいっぺんに味わえるし、声優を理解するための一助になるという考えはある。近年、どうぶつ系声優として一定の地位を築きつつある久野美咲は、トマト役やぽわわ役できっちりその仕事をこなす一方、あじさい役ではお姫様感のある正統派美少女として驚異的なパフォーマンスを見せてくれた。内田彩演じるひまわりの、天真爛漫な中にも他人への気遣い、弱さが垣間見える誘い受け感には相変わらず下腹部をむずむずさせられるが、そこまで目新しさは感じない。しかし豊口めぐみのダンテを挟んで、これも内田による兼役である「ダンテは俺より女の子のほうがいいのかよ!」アキアカネくん(♂)を恋敵として置くことで、その突破力をより高めていた。


世界を包むメルヘンなかわいらしさ。キッズアニメに特有の、テレビの向こうの視聴者に直接語りかけるような、読み聞かせにも似た芝居。これらの縛りの下、演者は自身の声優として、フェアリルとしての可能性を戦わせていく。


と、それっぽい言葉を並べてみたところでどこか虚しい。わたしの理解の精度は置いておくにしても、いくら一つの作品で兼役を演じたところで、それは一つの現場でのことでしかないからだ。同じ声優の似たような役柄でも、現場が異なればパフォーマンスもまた異なる。十の演技を知ることは、わたしが観たことのない百の演技があるという可能性に気づくことだ。うれしくはあるが、一生かけてもその声優のことを理解しきれないかもしれない、と途方に暮れもする。


そんなわたしを励ましてくれるのが、花江夏樹が演じる花村くんだ。フェアリル研究家を志望する彼はしかし、第1話を除いて、本物のフェアリルを目撃したことがない。こういうアニメでは主人公にだけ妖精が見えるというのがお約束だけど、彼はごく普通の人間と同じように、「フェアリルカメラ」を通してしかフェアリルを視認することができない*2。それでも彼は、おばあちゃんの執筆した文献を元に、自分の中のフェアリル像を確固たるものにしていく。そして今日もリトルフェアリルに繋がるドアを開く。いつか再びフェアリルに会えると信じて。その姿、頑迷さと紙一重のイノセントを表現し続ける花江の芝居に後押しされ、わたしもまたアニメを通して声優を追い続けるのだった。

2年目「リルリルフェアリル~魔法の鏡~」について

2年目では、1年目で人間サイドの主人公? だった花村望の妹として「花村かれん」(小3)が登場するという。そのバディとなるフェアリルは「りん」。それぞれ担当声優は能登麻美子佐藤聡美。キャリアを重ねてもローティーン以下の役をやってる声優なんていくらでもいる、とはいうものの、予告を見た限りでは能登はさすがに苦しめ。というか花守ゆみり日高里菜内田彩楠田亜衣奈の中に能登麻美子佐藤聡美をぶっこむってどういう地図を描いてるのかまるで見えない。フェアリルマージ役の豊口めぐみと同世代だよ能登ゆみりちゃん(1997生)とはひと回り以上違うよ能登(1980生)。開始前から波乱の予感がする……

html版

生年 声優 キャラクター
1997 花守ゆみり りっぷ きのこうさぎ ポポ(ぽわぽわ犬) シママ あんころねこ スノウ

1986 内田彩 ひまわり アキアカネ のこ ぴぃす



1994 日高里菜 すみれ すず/らん レインボー ベガ るこ


1989 楠田亜衣奈 ローズ ルカ ネコ夫人 おまめ




大和田仁美 さくら わかめ キャロット




1978 豊口めぐみ柚木涼香 ダンテ あこや ラフレ ノーム フェアリルマージ



西墻由香 アザミ ミスティ キャベツ おゆき アンチューサ


1993 久野美咲 あじさい ホタル ドリアン とまと ぽわわ(ぽわぽわ犬) 桜庭カノ


渡谷美帆 ジャスミン トラ おまつさん うらら(ユニコーン 楠木ハルト 花村リラ


小笠原早紀 ダリア レディ ウツボ きらら(ユニコーン きんぎょ先生


1988 しもがまちあき サンゴ スパイダー あめみ




1988 渡部優衣 みるる カブト クワ ダケ ゆらら(ユニコーン


1996 黒沢ともよ しじみ コーン オーロラ





水谷志織 ドット ポワリザ(ぽわぽわ犬) ホクリサ(ぽわぽわ犬)





森永千才 なめこ ハッピー 絵里




1989 田中真奈美 おふくさん






1992 小澤亜季 スピカ






1986 伊藤かな恵 ジャック







高橋未奈美 青葉ゆかり






1987 赤崎千夏 ミオ







長谷川暖 あおい






1994 遠藤ゆりか はるか
















1981 阿部敦 オリーブ フィッシュ シロ きんし くもも レオン先生 フォルテ(犬)
1986 白井悠介 ひがん メッシュ カマキリ カリコ たまちゃん さらら フェアリルゴール 薮下
1989 鈴木裕斗 かすみ ぺん ヤコウ ほうし セロリ サンダー

1970 矢部雅史 ベニテング ハエトリー ぼっくり先生




1987 櫻井トオル サボボン サン





1991 花江夏樹 おじぎそう 花村望





1990 増田俊樹 だんしゃく アーティ スター ひい デット ホッパー ジョンメケ

峰岸佳 ブロコ






1980 興津和幸 シリウス カナリア先生 三太




1984 代永翼 プロキオン 山本浩司/ワサビネガー





1985 小林裕介 らぎ 風間優斗





1978 間島淳司 シオン


























1988 齋藤彩夏 ルビー(ジュエルペット






1985 沢城みゆき ラブラ(ジュエルペット



























色分け フラワーF マーメイドF バグズF マッシュルームF イケメンジョF




ベジF ウェザーF トゥインクルF レジェンドF ヒューマル























※個別に名前がついているキャラクターのみ掲載しています





豊口めぐみが産休のため、37-46話までは柚木涼香が担当キャラの代役をこなした





※ルビー、ラブラは前番組「ジュエルペット」のキャラクター。47話のみ友情出演





※ブロコ、カリコはそれぞれ峰岸佳白井悠介が演じているがクレジットでは42話のみ逆になっている




※水谷志織が演じたホクリサはポワリザの誤植か?






※レジェンドフェアリルについては分類が怪しいものが多いです






※モブのためここには掲載していないが、EDを歌ったケラケラの3人が22話にゲスト出演している




*1:2クール終了時点

*2:厳密にはフェアリルカメラをつけたほうがより視認しやすくなる