周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

「劇場版アイカツスターズ!」 スタッフTとショートパンツと生足と伝説のドレスと

新宿バルト9で「劇場版アイカツスターズ!」を観てきた。女児向けアニメの映画を劇場で観るのは実は初めてだけど、大画面に映るアイドルたちのスタッフTシャツ(というか四つ星の体操服?)とショートパンツから伸びる二の腕生足に目を奪われっぱなしだった。

 

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自分はひょっとしてアイドルっぽい人のスタッフTフェチなのかもしれない。衣装の素朴さが素材の良さをひきたてるところとか、なんとなく学生の頃を思い出すところとかに惹かれる。モバマスなんかでも特訓後のきらびやかな衣装より特訓前の私服のほうが好きなことが多いしね。そして健康的なスタッフTにショートパンツから伸びる生足の過激さがスーッときいて……これは……ありがたい……

 

南の島を丸々ひとつ使って行われる「アイカツ☆アイランド」はステージあり、アトラクションあり、島内観光あり。そしてその辺をアイドル(候補生)たちがうろうろしていて、いわゆる「接近戦」以上にアイドルとファンの距離が近いイベントだ。話に聞くマチ★アソビがこんな感じだろうか。ゆめたちはアイドルとしてステージに立つ一方で、イベントスタッフもこなし、たまには海で遊んだりもする。スタッフTとショートパンツは、主にイベント運営時とプライベートの時に着られていた。

 

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アイドルはそれぞれ贔屓にしているブランドがあり、そのトップデザイナーに認められ特別なドレスを作ってもらうため、様々な困難を乗り越える。またドレスを手に入れたことが新たな力になる。「アイカツスターズ!」ではこのシークエンスがなくなった分、ドレスとストーリーの繋がりは表面上前作ほど強くは感じられない。けれど、それでもやはりこのシリーズにとってステージ衣装は特別だ。ドレスを着ていなければアイドルに非ず、ぐらいのところはある。

 

逆にステージを降りてドレスを脱ぎ捨て、ショートパンツで華奢な四肢を露わにしたゆめたちは、途端に中学生の女の子として相応の奔放さ、と引き換えの無防備さが浮き彫りになる。そこに直接の因果関係はないけれど、結果として、仕事の外ではあっても周囲にファンがいることを忘れ、ローラと喧嘩しているところをパパラッチされてしまう。この映画ではそこから、伝説のドレスというアイテムを絡めた二人の和解までがドラマの肝となっている。

 

ゆめたちの憧れであるS4はというと、彼女たちは今回全くドラマが描かれない。スタッフとして裏方仕事をこなしたり海で遊んだりする後輩たちと違って、彼女たちは一貫してキャストとして役目を果たすし、残念なことにスタッフTもショートパンツも履かない。海辺で4人ブリーフィングしている時も、例のゴージャスな制服のまま。

 

S4であっても、その必要があるなら、力仕事でも炊事洗濯でもやる。というかTVシリーズ20話はまさにそういう話ではあった。ただ、そんな時でも彼女たちは徹頭徹尾アイドルとしての所作を忘れないだろう。ステージ衣装を脱ごうがカレーを作っていようが後輩を喰っていようがアイドルである、ということ。それが現在の彼女たちの強さだ。だから日常からなんのドラマもなくシームレスにステージに上がって、この映画中最大の見せ場である最強のライブを演じられても、説得力がある。なんというか、常時超サイヤ人であることを選んだ悟空さみたいな。あるいはそれは、劇場版でアイカツシステムなしに制服で歌ってみせたソレイユの境地とも繋がるところがある。

 

アイカツ!」の劇場版が、いちごがとうとう神崎美月を追い越してトップアイドルになる物語であるなら、本作はまだまだ遠いS4の背中を、それでも二人なら追っていける、という話だ。S4を超え、真に「ふたりなら最強」とゆえる日が来るのはいつのことか……せいぜいあがいてみせることだな!(皆川フェードする学園長

 

 

あ、同時上映の「アイカツ! ねらわれた魔法のアイカツ!カード」のほうは、突然提示されたののリサユウという可能性で頭がいっぱいでした。このためにののリサはユニット名がなかった……?  ビジュアル一点突破という点ではかなりの潜在能力を秘めてると思うんですよね>ののリサユウ