周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

満18歳になったら、国立国会図書館を利用しよう

f:id:megyumi:20181031185426j:plain


夏コミ合わせで「秋田禎信1992-2018」という同人誌を制作するため、資料集めのために永田町の国会図書館に通いました。およそ日本で出版されたものでここに所蔵されてないものはない*1というくらいの所蔵数を誇る、日本最大の図書館です。公共図書館と違って漫画の類の蔵書も豊富です。


sube4.hatenadiary.jpsube4.hatenadiary.jpbooth.pm


国会とかついてますが、満18歳以上なら誰でも無料で入場可能です*2。何回か行く内、ここは抑えときたいなと思うポイントに気づいたのでメモしときます。最初に言っとくと、館外への持ち出しは不可。館内で閲覧もしくはコピーを申請する形になります。手続きにかかる時間などはあくまで私の経験によるもの。夏休み中や土日は混雑する分、時間もかかるようです。


国立国会図書館―National Diet Library


現地に行く前に蔵書を確認しよう

国会図書館の蔵書は、NDLというサイトで家からでも確認可能です。東京の本館ではなく大阪の別館や、上野の国際子供図書館のみに所蔵されていることもあるので、目当ての雑誌、書籍があるなら事前に所蔵館を調べておきましょう。関西別館から東京まで取り寄せてもらうことも可能です。

入館には登録利用者カードが必要です

新館の入り口でこのカードは発行してもらえます。手続きには20分ほどかかります。発行から三年間有効です。利用登録には本人確認書類が必要なので、忘れないようにしましょう。利用者カードを忘れた場合、その日のみ使える臨時のカードを発行してもらうことも可能ですが、手続きには新規に発行してもらうのと同じくらいの時間がかかります。

荷物は入り口近くのコインロッカーに預ける

蔵書の盗難などを防ぐためか、鞄などは持ち込めません。コインロッカーに預けることになります*3。持っていきたいものはロッカールームに常備されている透明ビニール製の手提げ袋に入れて入館しましょう。館内に置いてあるのは鉛筆と付箋くらいでしょうか。それと6階にコンビニのような売店があります。

書籍と雑誌では受け取りカウンターが違う

一度に閲覧できるのは雑誌が10冊、書籍が3冊までです。雑誌の場合バインダーで数冊がひとまとめにされていることがあって、その場合バインダー1冊で1冊分となります。制限いっぱい借りた場合、雑誌なら資料を1冊返却すれば1冊、10冊返却すればまた10冊閲覧申込みができるようになります。


国会図書館では開架(利用者が自由に手に取れる)式ではなく、司書の方に申請して書庫から持ってきてもらうという形になります。館内の端末で閲覧申請を行った後、しばらく待ってから(平日では平均15分くらい?)カウンターで受け取るわけですが、 分類によって受け取り場所が違います。書籍は本館のカウンター、雑誌は新館のカウンター、さらにマイクロフィルムを閲覧するタイプだったり個室の中でしか閲覧が許可されていないものもあります。新館と本館は1分ほどで行き来できますが、回数が重なるとめんどくさくなってきます。目当てが決まっている場合雑誌は雑誌のみで先に閲覧していくとか、その辺りは考えましょう。閲覧申請したものがカウンターに届いているかどうかは、館内の端末かスマホから公式サイトで確認します。


資料の閲覧は館内のテーブルや椅子で行いましょう。食堂への資料の持ち込みはできません。食堂入口脇にロッカーがあるので、食事の際はそこに預けることもできます。

資料のコピーについて

セルフコピーではなく、カウンターで申し込みして司書さんにコピーしてもらう形になります。資料のコピーをお願いするところに付箋を挟み、複写カウンター近くにある端末とプリンターで複写申込書をプリントアウトし、必要事項を記入後、カウンターに持っていきます。この行程は慣れない内は結構面倒に感じると思いますが我慢しましょう。閲覧申し込み同様、複写も書籍と資料で申し込みするカウンターが別れています。枚数にもよりますが、申請してから複写が完了するまで約15分はかかります。コピー代は、当たり前ですがカラーの方が高いです。支払いには電子マネーも使用可能です。館内にはATMも設置されています。


コピーは著作権法の関係上、例えば紙資料なら100枚までと公式サイトには書かれています。が、これは雑誌か書籍か、記名記事かどうかなどによっても変わってきます。制限を超えている場合、司書さんが指摘してくれると思うので、そこは素直に従いましょう。雑誌については最新号は複写できません。


即日複写の他にコピーしたものを家まで届けてもらえる後日郵送複写というものもありますが、私は利用したことありません。

食事

6階に大学の学食のような大食堂、それとは別に喫茶が2つあります。大食堂より喫茶のほうがややお高めかな? ただこういう場所なので、高いと言っても街中で食べるなら牛丼屋よりちょっと高いかな、くらいでしょうか。 自分で持参したお弁当などを食べるスペースもあります。売店でおにぎりを購入してもいいでしょう。


大食堂のテレビでは国会会期中は基本的に国会中継が流れています。逆に利用中に「国会」図書館であることを意識するのはその瞬間くらいですかね。先述したように資料の持ち込みは厳禁。ロッカーがあるのでそこに預けましょう。

Wi-Fi・PC・インターネットについて

館内の据え置き端末ではインターネットに接続可能です。持参したPCは指定の場所でのみ使用可能。また館内の一部では、無料で無線LANを利用することができます。ログインパスワード等が書かれた紙が設置されているのでそれを見るか、係員の方に尋ねてみてください。ただ……実際使ってみた感じ、速度はあんまり……


国会図書館は表紙カバーを保存していない

私が頒布した同人誌というのはライトノベル関連の本です。ライトノベルでは表紙カバーのイラスト・デザインが重要だとされています。……でも、国会図書館では表紙カバーや帯や箱や、つまり本体以外は所蔵していません。その理由についてはこちら


公共図書館との大きな違いはここですね。おっぱいドーン! みたいな表紙イラストの本を閲覧する時は助かる……とも言えるのですが。カバーを取り去った本はなんとも味気ないものです。味気ないだけならいいんですが、現代の書籍というものの多くはカバーがあること前提で作られているものなわけで……。それでもラノベならまだ歴史が浅いしその気になれば自分で実本を入手することも可能なものの、今後のことを考えるとやっぱりカバーも保存してほしいなあと思います。

*1:ないとは言ってない

*2:特例として国会図書館にしかない資料を利用したい場合、入館が認められることもある

*3:100円硬貨を入れるタイプですが、退館時に戻ってきます