周回遅れの諸々

90年代育ちのオタクです

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『攻殻機動隊小説アンソロジー』 「原作」はどこから来てどこへ行く?

ハリウッド版の実写映画が公開! っつーことで、色んな関連本が出版されている「攻殻機動隊」。本作はその小説アンソロジーである。SF、純文学、ラノベ、漫画原作者と色んな方面から集められた五人の作家がそれぞれの「攻殻」世界を描く。 円城塔「Shadow.ne…

ラノベ作家としての佐藤大輔=豪屋大介 エロスとバイオレンスとビッグマウスと

小説家の佐藤大輔が、虚血性心疾患のために亡くなった。享年52歳。多くの未完作を抱えての逝去だった。 mainichi.jp 氏については「征途」「レッドサンブラッククロス」「皇国の守護者」などの(仮想)戦記を執筆した作家、というのが多くの人の認識だろう。…

徳間書店がオタク文化にもたらしたもの

とか、誰か書いてくれないかなあと常々思ってる。 www.ccc.co.jp 読売出身のカリスマ経営者・徳間康快が一代で急成長させ、かつては田中芳樹「銀河英雄伝説」を擁してノベルス*1市場に確固たる地位を築き、宮崎駿=国民的アニメ作家が確立するまで「アニメー…

「このすば」のアクア様とカズマさんがオーフェンとコギーだった

数多の異世界転生物がヒット作を飛ばしている。中でも「この素晴らしい世界に祝福を!」は特に、90年代を生きた人たちにある種の郷愁をもって迎えられているみたいだ。 曰く「めぐみんの爆裂魔法はスレイヤーズのリナが使うドラグスレイヴだ」「じゃあめぐみ…

なつかしの異世界転生・召喚もの徒然語り

2月から3月にかけて、書評サイト「シミルボン」で連載書評を書いた。「なつかしの異世界転生・召喚もの」というテーマで全5回。過去に書いた感想を下敷きにさらっと済ませるつもりだったのだけど、思ったより手こずってしまった。 shimirubon.jp 取り上げた…