魔術士オーフェンはぐれ旅 第二話「牙の塔」 魔術士が魔術の訓練をすることに驚く原作読者たち
- 現在:エバーラスティン家
- 五年前:《牙の塔》訓練場
- 五年前:《牙の塔》内教室
- 現在:トトカンタ市警の牢屋
- 五年前:《牙の塔》
- 現在:魔術士同盟トトカンタ支部
- 現在:バグアップズ・イン
- 現在:エバーラスティン家
- 現在:トトカンタ外縁部
現在:エバーラスティン家
他の魔術士たちから怪物を救ったオーフェン。しかし皮肉にもそのことが《彼女》の注意を彼に向けさせる。
「あれは――」
(オーフェンが)言いかけた刹那、怪物が頭をもたげ、(天井に向かい)――吠えた。
犬の遠吠えのような、なんのことはない、ただの遠吠えのように聞こえた。だがその声が響き渡り、辺りを湿らせるように満ち渡ったときには――(部屋の中は炎であふれ返っていた。)
()内はアニメで削られた・修正された部分です。
炎が放たれた。「我は紡ぐ光輪の鎧!」オーフェンは咄嗟に魔術で防御し、「我退けるじゃじゃ馬の舞!」炎を霧散させる。そんな様子を尻目に、《彼女》は剣をつまんで飛び去っていく。「逃げないでくれ、アザリー!」オーフェンの懇願も届かない。羽ばたく姿が遠くなっていく。呆然と立ち尽くすオーフェンに、チャイルドマンが悠々と歩み寄ってくる……。鉄面皮と評されるチャイルドマンだけど、このアニメでは穏やかな顔立ちで、不思議系美少女のようなぽーっとした表情をしていることが多い。
ドラマ「ゆるキャン△」一話は原作やアニメそのまま……ではない
この一月からドラマ「ゆるキャン△」が始まっている。発表当初こそtwitterではいつも通り「アニメとイメージがまるで違う」「二次元を三次元で再現しようとするから無理が生じる」と拒絶反応が飛び交っていた。しかし実際に放映されてみると「いい感じに寄せてる」と評判のようだ。一方、「寄せすぎてて実写の意味がない」「アニメで観ればいいや」って人も。むつかしいところだ。
私は、出来うる限りアニメに寄せようとする努力は買う。それが必ずしも面白さに寄与してなくても、すごさはすごさとして称賛したい。でも声までアニメの演技に寄せてるのを褒めるのはちょっと……と書きかけて、なんか違うなコレと思い直した。
- なぜ原作つきであっても対比されるのはアニメなのか
- 電線の意味するもの
- LINEは既に交換された
魔術士オーフェンはぐれ旅 第一話「追憶の呼び声」 あえて古さを強調したかのような映像演出に戸惑う
せっかくなので、場面ごとに逐一振り返っていく感想にしたいと思います。思いましたが、えっらい時間かかったので次からはやらないかも。
- 五年前:《牙の塔》
- 現在:《牙の塔》からのトトカンタ
- 現在:《牙の塔》
- 現在:トトカンタ近くの森
- 現在:エバーラスティン家
- 一話を振り返って
- 原作のどこまでいくか
五年前:《牙の塔》
「見ないで!」
だが彼は見ていた――というより、身体がマヒしてしまったように身動きがとれない。(部屋の入口に立ち尽くして、)彼はただぼうぜんと彼女を見つめていた(見下ろしていた)――
()部分はアニメでは削られた、修正された部分です。
これは原作「魔術士オーフェンはぐれ旅」第一巻、「我が呼び声に応えよ獣」の冒頭部分だ。今回のアニメは「見ないで!」と叫ぶアザリーとそれを呆然と見つめるキリランシェロ、倒れているチャイルドマン教師を映しつつ、「だが彼は」以下の地の文をナレーションが読み上げるという形で幕を開けた*1。朗読はチャイルドマン役の浪川大輔。原作の最大の特徴である文章の味を伝えたかったのだろうか……?
魔術士養成機関の最高峰《牙の塔》。その構内にある礼拝堂*2で、《天魔の魔女》アザリーはひそかに古代魔術の実験を行っていた。ところが、実験は失敗。魔術武器《バルトアンデルスの剣》が暴走したアザリーは、化け物の姿になってしまう。突然現れた化け物にも動じず、放たれる魔術士たちの攻撃。「我は放つ光の白刃!」しかしその時横合いから光熱派が放たれ、他の魔術を妨害。
アザリーは同窓生たちに見送られながら、悠々と飛び去っていく。その手助けをしたのはキリランシェロ。アザリーを姉としてこよなく慕う少年だった。
ずっと執着してきた作品が20年ぶりに再アニメ化するけどいまだに心構えができてない
「魔術士オーフェン」が20年ぶりに再アニメ化される。そう聞いて「今さら……?」と反応する人は多い。原作者/原作イラストレーターからしてそんなようなことをゆってる。ただし原作読者の、いやさ私の「今さら……?」はちょっとニュアンスが違う。
「オーフェン」シリーズは2003年に一旦完結した。その後、2011年に現在の版元であるTOブックスから新シリーズ(第4部と称される)及び新装版を刊行開始。これも2015年に完結した*1が、刊行中公式が何かと「重大発表」とぶつ度、界隈には「再アニメ化か?」という空気が流れていた。ドラマCD、コラボカフェ、さあ次は……? 実際にアニメ化してほしいかは別として、そんな雰囲気を勝手に感じ取っていた。
だから私の「今さら……?」は20年ぶりだから、ではなく「新シリーズが終わって随分経つのに……?」であり、むしろ「ようやっと来たかあ……」と言い換えたほうが近い。
- 男らしいかっこよさを追求したアニメ第一期
- 完全オリジナルだけどかえって原作テイストに近い二期「Revenge」
- 再アニメ化に対する心構え
*1:以降もなんだかんだメディアミックスが続いてはいる