2020年はサンリオの昔のアニメ映画を意識的に観ていた。ハローキティやマイメロディを主役とする牧歌的な作風でも、「おねがいマイメロディ」に代表される「カオス」路線でもない、サンリオの知らなかった側面がそこにあった。
チリンの鈴(1978)
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チリンの鈴・ちいさなジャンボ・バラの花とジョー【やなせ・たかし原作】 [DVD]
- 発売日: 2010/05/07
- メディア: DVD
やなせたかし原作。母親を狼に喰い殺された子羊が復讐のためにその狼に弟子入りし、やがて自分が狼のようになってしまう……。「ガンバの冒険」ばりにハードな動物物語とそれに見合ったかっちょいい絵作り、そして何より
「泣くがいい。その悔しさがやがてお前の牙になる」
「生きることは悲しみを知ること。その悲しみで心の牙を研ぐのだ」
「僕はもう弱い羊ではない。牙の代わりに研ぎ澄まされた角がある。蹄は岩よりも硬くなった。そして何よりも、死を恐れぬ野生を身に着けた」
など台詞回しがめちゃ痺れる作品。



同じやなせ原作の「小さなジャンボ」(1975)は東西二大国の戦争に巻き込まれて食糧事情が悪化⇒友達の象を食べるか決断を迫られたり、「バラの花とジョー」(1977)では一輪の薔薇に恋した犬のジョーが彼女を守ろうとして盲目になったりと、これらはあくまで可愛らしい絵柄ながらハードな展開が続くギャップがすごい。