「だがしかし」 新ヒロイン・尾張ハジメはスキだらけ!
週刊少年サンデーに連載されている「だがしかし」は、田舎の駄菓子店の息子「鹿田ココノツ」通称ココナツを主人公に、毎回駄菓子の薀蓄を披露していくショート漫画だ。一見地味な題材のこの作品の華は、都会からやってきた、年齢不詳のグルグル目巨乳美女・枝垂ほたる。大手菓子メーカーの社長令嬢で、ココノツの父・ヨウさんをスカウトしに来た彼女は、駄菓子をこよなく愛している。実家を継ぐのを嫌がっているココナツに対してグイグイ迫ってきて、これでもかと駄菓子トークを披露する。
この漫画が人気になるに当たって、彼女のキャッチーな魅力が功績大だったのは間違いない。 え、幼なじみのサヤ師? うんうんサヤ師も可愛いね。
しかし、単行本6巻収録分で連載開始当初からずっと続いていた夏休みが終わり、人気の原動力となっていたほたるさんは姿を消してしまう。花火大会でココノツにひと夏の思い出を語り、ホームランバーの当たりを託したりしていたので、全くの突然に、というわけじゃない。でも、ともかく理由も言わずにほたるさんはいなくなってしまった。
それから三ヶ月経って、季節は冬。ヨウさんが怪我をして入院したため、シカダ駄菓子を自ら切り盛りしなければならなくなったココノツは、商売敵のコンビニが近所にできたことで焦ったり、昼は学校に行かなきゃならないのでその間、店をどうしようか悩んだり。そんなココノツの前に現れたのが、新ヒロインの
ハジメちゃんは20歳。有名な大学を中退して色々資格取得のための勉強もしつつ、コンビニでバイトしだして、それも遅刻ばっかりなのと周囲になじめなくてクビになって。シカダ駄菓子で給料ナシで住み込みで働き出す。
経歴を見れば分かる通り、基本的に彼女は
ホタルさんも駄菓子を含めた遊びの範囲では、距離は近い。めっちゃ近い。なんならラッキースケベまである。でも心情的にはどこか一線を引いている。ましてや異性として恋愛感情がどうこうなんていうのは、全く素振りすら見せない。外側からではそういう感情があるのかすら想像できない。ココノツが四六時中ホタルさんの無防備な異性を意識してあたふたしてた一方、彼女が見せるそういう仕草は、ココノツへの接し方もサヤ師へのそれもあまり変わらないからこそ、のものだ。
この漫画のギャグセンスをうすた京介フォロワー、ホタルさんのスタイリッシュなポーズを
ハジメちゃんも大学をやめた経緯とか今はまだ謎なところはあるものの、ホタルさんよりかはかなり分かりやすい。シカダ駄菓子の通販サイトを二人で作ろうとしてる内に脇道に逸れてアダルトサイトっぽくする遊びにハマってひと通り楽しんだ後、なんだか気まずくなったり。ココノツが自分に性的な眼差しを向けてると知ってその時はスルーするんだけど*2、後で酒が入った時にそのことを肴にいじり倒したりする。
その駄目人間っぷりにも関わらず、ああ、こういうとこ女性だなあって思う。でもそれ本人にゆったらますます調子に乗りそう。駄目人間だからこそ、大人の女性ぶれる適当な相手を見つけていじってるみたいなところはある。そこもまた可愛い。要は、ココナツもハジメちゃんもお互いに意識しあってる。それは多分まだ恋愛感情と言うには遠いものけど、男と女、密室。7日間。何も起きないはずがなく……てな感じで、ごく自然にいつの間にかそういう仲になってそうな雰囲気。その間、サヤ師は
見舞いに来たヨウさんの「お前、隙の多そうな子好きでしょ……」という指摘は的確。でも、中年男の助平ったらしさ全開で少年漫画的にアウトっていうかむしろビーンボール。この時の掲載順、「天野めぐみはスキだらけ!」と並んでるし。
初期にほたるさんはヨウさん目当てだから、ってみんな冗談交じりにゆってたけどこれはハジメちゃんの父親寝取られ来るわ……そういえば「フリクリ」でもハルコさんと父親のそういう関係が疑われる展開あったね。ホタルさんのお風呂を覗いたのもココナツの悪友の豆くんだったし、そういう妄想が膨らむ場面は多い。
と、ここまで書いてから気づいたけど、私ってメインヒロインがいなくなって新キャラといい感じになる展開が好きなんだなあそもそも。その後、メインヒロインが帰ってきて修羅場になったりならなかったりするのも含めて。「終わり始め」という名前からしてハジメちゃんがストーリーを先に進めるためのキャラであることは明白なんだけど、はたしてホタルさんが帰ってきた時どういう反応を見せることやら。それともまさかの、ハジメちゃんはホタルさんのコスプレでしたー! 展開かしらん。