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周回遅れの諸々

90年代にオタクとしての青春を過ごした人のブログです

フジリュー版「銀英伝」が相次ぐ濃いキャラの登場で面白くなってきた

漫画 ラノベ

……気がする。

 

和製スペースオペラとして80年代に一世を風靡し、今もなお多くの人に読み継がれている田中芳樹銀河英雄伝説」。この小説を「封神演義」の藤崎竜が漫画化したものが、現在ヤングジャンプで連載されている。

 

 

youngjump.jp

 

舞台は遠い未来。専制国家の銀河帝国と民主主義を掲げる自由惑星同盟の間では、いつ果てるとも知れない戦いが続いていた。やがて時代は、それぞれの陣営に二人の英雄を登場させる……。というのがあらすじで、この連載は、帝国側の英雄・ラインハルトの幼年時代から始まる。

 

鳴り物入りで始まった連載だけど、序盤はあまり面白くなかった。原作ではそれほどキャラが立ってなかったフーゲンベルヒ伍長の、「お偉い貴族様」に対しての不良軍人っぷりとか、光るところは見受けられるはしたものの、フジリューの少年漫画然とした絵が、原作の硬さと喧嘩しているように感じられたからだ。

 

けれど、ラインハルトが軍の中で頭角を現し、自分から姉を奪った憎い皇帝と対面。そこで一旦、主役が同盟側の英雄・ヤンに移った辺りから違和感がなくなってきた。ヤンの原作由来のゆるいキャラクターもさることながら、それ以外の人物も、著者の中の何かが吹っ切れたのか、大いに藤崎ナイズされてきたからというのはありそうだ。なにごとも中途半端は良くない。

 

人のいいおっさんというイメージだったヤンの先輩キャゼルヌは、体育会系エリートメガネに。

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これでマイホームパパとかあざとすぎません? 

 

ただでさえ原作でもアレだったビッテンフェルトは、シャツの前も何もかも全開なキャラに。

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どことなくベトナム帰りの米兵に似てらっしゃる……。人をかっこよく描く時は大きく誇張して、人を戯画化して描く時はもっと大きく誇張して、という感じ。なお普段はもう少し落ち着いたテンションの模様。

 

後にヤンを公私共にサポートすることになるフレデリカは、月イチで「ヤン様の集い」を開くナマモノ系ファンサイト管理人として生まれ変わった。

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まあ原作からして元はヤンの単なるファンだしね……? あるいはこれは、ヤンが自分を偶像として見られることを嫌うようになる伏線なのだろうか(ない

 

「悪ふざけ」「二次創作(誤用)でやれ」、とゆわれればまあ否定出来ないんだけど、まあ面白いものは面白く。こういうキャラを配置することで、ラインハルト始め、ユーモラスではあってもいいけどいかにも漫画っぽくコメディタッチには崩しにくい*1キャラのかっこよさが、かえって際立ってきた気もする。

 

※比較は多分一番有名な旧アニメ版。原作の最初の版である徳間ノベルス版には一部例外を除きキャラクターのイラストがついてないので……。道原かつみ版はよく知らない。デュアル文庫版の時に「ファイナルバージョンと銘打たれてるけど表紙が恥ずかしくて買えない」という意見が結構見られたように記憶してるんだけど、外伝とはいえトクマノベルス版から道原かつみ起用してるんだよな……道原かつみCLAMP垣野内成美と、田中芳樹作品の女性的な流麗なイラストレーター起用ってのはどっから来てるんだろね。読んでみると結構なるほどこういう解釈もアリだとは思えるんだけど。

ずいぶん長いことアニメの銀英伝を海外の作品だと勘違いしてたんだけど、キャラデザがバタくさい、声優に洋画吹替の常連が多い、キャラクターが登場する時、英語字幕で名前が表示される、辺りが原因だろうか

  

閑話休題。また、フジリューというと、バトル漫画としてはアクションシーンの動きよりも、ここぞという時の見せゴマが印象的なタイプ、というイメージが「封神演義」の頃からあったけど、基本的に艦隊戦がメインのこの作品は、そんな作風に合っていると思う。

 

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ビッテンさんなんかいかにも色物じみたキャラづけされてるけど、初登場シーンはそのインパクトの強さとは裏腹に颯爽としてもいて、腐っても? 帝国軍人という感はあった。

 

物語はまだようやく始まったばかりだ。これから登場するキャラクターはまだまだたくさんいる。ラインハルト側とヤン側を交互に描いていくという構成の中で、フジリューが彼らをどのように料理していくのか、注目していきたい。

 

 

※なお、筆者は一応原作とアニメは読了/視聴済みだけど、それも結構前のことなので、物語の細部の記憶はかなり曖昧な状態でこのコミカライズに臨んでいる、ということはお断りしておきます。

*1:崩してたけど

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