「アマガミ」の思い出、橘純一という主人公 続編?「セイレン」放送開始によせて
今冬から、TVA「セイレン」が放映開始される。原案・シリーズ構成・キャラクター原案は「アマガミ」のキャラクターデザインを担当した高山箕犀*1、舞台は同じ輝日東高校。「アマガミ」から9年後の物語で、「アマガミ」ヒロイン七咲逢の弟・七咲郁夫、同じく上崎裡沙の妹・上崎真詩など前作と繋がりのあるキャラクターも登場するらしく、期待が高まると同時に、にわかに「アマガミ」づいてもいる。
http://www.tbs.co.jp/anime/seiren/
「アマガミ」は2009年に、PS2用の恋愛シミュレーションゲームとして発売された。いわゆるギャルゲーだ。自分の趣味に引きずり込む、その魅力を最大限に引き出していたのが、主人公の橘純一だった。
*1:キャラデザの人がシリーズ構成まで……? とちょっと不安にもなるけど
2016年のスケベアニメを振り返る
年間の新作発売本数が恐らく100本前後*1という狭いエロアニメ業界だけど、今年もいろんな作品が発売されました。
- メリー・ジェーン「今からアタシ……」がベストオブヘンタイ2016
- ピンクパイナップル「ヌーディストビーチに修学旅行で!」の謎のテンション
- ピンクパイナップル「こいなか」の深夜アニメっぽい絵柄が(自分の中で)話題に
- メリー・ジェーン「少女ラムネ」やchippaiの諸作などロリ物が意外に元気
- 「八尺様」を題材にした作品が2本同月同日に発売される
- 終わりに
メリー・ジェーン「今からアタシ……」がベストオブヘンタイ2016
旗幟灰星のオリジナル同人誌が原作。監督・絵コンテ:わたせとしひろ。キャラデザ・作監:佐藤勝行。脚本:穴戸半兵衛。制作:BREAKBOTTLE、制作協力:トライフォース。
兄と禁断の恋をしている女子高生が、そのことをネタに中年教師にゆすられる。ヒロインのむちむちっとしたキャラデザ、たぷんたぷんという音が聞こえてきそうなアニメートが最高。主演声優が今年私が一番ハマった一般向けアニメに出演してる人で、その手のトピックとしては過去最大級にというか初めてダメージを受けたりもしました。
*1:映像として新作、の意。3Dアニメは一応含めてない
エヴァオタが《第九》を初めて生のオーケストラで聴いた感想
今年2016年は、自分にしてはアクティブにイベントに参加したり映画に観に行ったりした。その締めとして、12月20日(火)、六本木のサントリーホールで行われた《第九》のコンサートに行ってきた。演奏は読売日本交響楽団通称「読響」。指揮者はドイツのマルクス・シュテンツさん。合唱は新国立劇場合唱団。
エヴァから第九にポロロッカするオタク
そもそも私は、《第九》やパッヘルベルの《カノン》などクラシックをBGMにたくさん使っていることで有名な「新世紀エヴァンゲリオン」で目覚めたオタクだ。あの
意識が変わったのは、昨年夏に西武ドームで行われた
夏の終わりに本格的に行きたいという気持ちが強くなって、チケットぴあから年末のものを探してみると、たくさんある。会場はサントリーホール、NHKホール、Bunkamuraオーチャードホールなどの名前が目立つ。オーケストラは国内ではNHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニーなどがよく挙がっている。指揮者は重要だそうだけど、会場や楽団以上に分からない。……結局、スケジュールなどを考慮して、サントリーホールでの読響の公演に落ち着いた。一つ、重視したのは基本的に《第九》のみの公演であること。初めてなのに二曲も三曲も聞くと、感想がぼやけそうだったので。チケットは、争奪戦、というほどのものもなく、普通に取れた。開催日が平日だったからだろか。
それから当日までは、ベートーヴェンの曲を作業用BGMに聞いてたらあっという間に過ぎた。ドレスコードは、サンダルとTシャツとかだと流石にアレだけど特に気張る必要はないとのことなので、ノーネクタイ、黒のジャケットにワイシャツ、スラックスと失敗しても大外れしなさなそうな感じに決めた。
*1:アニメやゲームに多く曲を提供している
【勇者のクズ】草河遊也 現役のフルアナログイラストレーター【オーフェン】
私の人生に一番影響を与えたラノベは、「魔術士オーフェン」でまず間違いない。作者の秋田禎信に関しても、旧シリーズが終了してからもずっと追い続けてる。
じゃあイラストの草河遊也はというと、正直ファンタジア文庫版の頃はそこまで熱狂的なファンではなかった。インターネットを始めてから、この人に影響受けた絵描きの人ってプロアマ問わず結構多いんだな、と思ったくらい。有名なところではpakoさんや今野隼史さんが好きってゆってた。それで初めて、ああなるほどそういう良さが確かにあるな、と気付かされた。多分、昔はイラストに関してどうこう言う語彙が今以上になかった、ってのが大きかったんだろう。
草河遊也は1972年生まれ。都築由浩原作で「HARD DIVER」(青心社コミックガイア)という漫画を1度だけ発表した後、イラストレーターの道へ。月刊ドラゴンマガジンの「ソードワールドRPGアドベンチャー」のカットの仕事を数点こなした後、「オーフェン」でブレイク。他に森岡浩之「月と闇の戦記」、茅田砂胡「レディ・ガンナー」、あざの耕平「Black Blood Brothers」などのイラストを手がけつつ*1、現在に至っている。昔のインタビューでは「好きな漫画家は」という質問に「伊東岳彦、田中久仁彦、幡池裕行」と答えていた。
*1:「BBB」の時は、氏がどんな原作にイラストを描きたいか決めるコンペのようなこともしたとか
森見登美彦『夜行』 京都を抜けるとそこは京都であった
デビューから10年以上が経過した森見登美彦の最新作は『夜行』。『きつねのはなし』にも通じる、じっとりと湿った怪談風味のファンタジーだ。
僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。
十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。
十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。
夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。
私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作!
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
森見登美彦という作家
森見登美彦は2003年に『太陽の塔』でデビュー。ファンタジーともSFともホラーともつかない、摩訶不思議な妄想世界を次々に生み出してきた。古めかしくもコミカルな文体が特徴のひとつ。舞台は森見が京大在学時に青春を過ごした京都であることが多く、特に『太陽の塔』『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『恋文の技術』などひねくれまくった、でもどこか憎めない大学生――私は
狸の兄弟を主人公にした『有頂天家族』は「さよなら絶望先生」の久米田康治をキャラ原案に迎えてアニメ化されたけど*1、それを聞いた時ああなるほど、と納得したとゆえば、漫画読みの人には作風の一端が伝わるだろうか。あんなパロディまみれ世間への皮肉まみれの作品ではないけどね……。
私が一番好きな作品は『ペンギン・ハイウェイ』。歯科医のお姉さんに恋してるマセた男子小学生を主人公にした瑞々しいジュヴナイルSFだった。このように必ずしも京都の大学生ばかりじゃないんだけど、とはいえ、いまだに森見作品=京都という見方は読者の間で根強い。